ちょっとマニアックなお話/その3


五月飾りにつきものの弓と太刀。
戦いの道具みたいでイヤだわ、
というママも結構いますね。
でも五月飾りの弓と太刀は、
戦いの道具としてではなく
魔除けとしての深い意味があります。

 


弓と矢は「破魔」として、魔除けの為の大事な道具。

魔除けとして弓が用いられた歴史は古く、端午の節句に五月人形を飾るわけでご紹介した
古代中国の鍾馗様まで話はさかのぼります。鍾馗様は、健康と知恵の神様と言うだけでなく、
強い武神としても尊ばれており、弓で悪鬼をやっつけると考えられていました。
これが平安の宮中に伝来し、日本でも西暦670年頃には、お正月に弓で的を射る
「射的」「大射」などの儀式が盛んに行われていました。
現代も神社などで行われる流鏑馬(やぶさめ)も、この流れをくむ儀式です。

さらに平安時代には、宮中で病人などが出ると、邪気を祓う為に
天に向けて葦の矢を射る「ついな」という儀式が行われていました。
また魔や鬼は、弓の弦の音を嫌うとして、弦を鳴らす「鳴弦(めいげん)」が行われます。
源氏物語でも、葵の上に取り憑いた六條院を退散させるため、矢が射られ弓の弦が鳴らす
というくだりがありますが覚えていらっしゃいますか?

そういえば、先だっての敬宮愛子様がお生まれになった時も、
弓の弦を鳴らす儀式が行われていたのは、記憶に新しいところです。
このように弓と矢は「破魔」としてとても大切な物で、初詣で神社でも頂けますよね。

太刀もまた魔除けのお守りです。

太刀は、刀と思われていますが、刀と太刀は違います。
刀は戦いの実用具ですが、太刀は主に儀式に使用されるもので、
五月飾りに使われるのは太刀の方です。

太刀は、その名の通り太く、反りが大きく刀よりも短いのが特徴です。
脇に差す際も、太刀は反りを上にして上弦の月のようにして差します。
刀は実用品ですから、逆に抜きやすいように下弦の月のように反りを下にして差します。

なぜ太刀が魔除けに使われるかというと、古来より魔物は光り物を嫌う
と考えられていて、太刀の刃物は光り物として護身具に最適だったわけです。
先日も敬宮愛子様の守り刀が、群馬県館林の刀鍛冶によって納められましたよね。
宮中では、 子供が生まれると男女を問わず守り刀を与え、
魔が近寄らないように、と災厄除けを行ったのでした。

 

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