お正月の御節の由来や食べ物の意味について

2018年10月30日

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もうすぐ2018年12月が終わりますね。ニュースで報じられたように1935年から83年間、東京の卸市場だった築地市場が2018年10月11日に閉鎖されました。そんな出来事もあり、今年の年末のお買い物は豊洲市場へ行こうと検討されている方も多いのではないでしょうか。
今回は、お正月の御節の由来や食べ物の意味についてご紹介しています。

御節料理の準備はいつから始めますか

御節料理は「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮もの」の5品の種類に分けられます。作る順番には決まり事はないので、日持ちがするものを逆算して作ることをおすすめします。
私の実家では29日頃から日持ちがする煮物から準備を始めていました。私の担当は専ら煮物の皮むきや昆布巻の準備など、母と祖母にならって手伝っていました。
煮豆や栗きんとんは30日あたりに、31日は数の子の塩抜きや酢の物など、品数が多いので、母なりに日程を考えて作っていましたが、結局元旦当時はバタバタと母が忙しそうにしていた記憶があります。

御節の由来をご存じですか

おせち料理の「せち」は漢字で「節」と表します。季節の変わり目の祝日を「節日」と言い、その節日に神様に供える食べ物のことを「節供(節句)」と呼び、この「お節供」の略が「お節料理」になったと言われています。
おせち料理は本来、お正月だけのものではありませんでしたが、江戸時代にこの行事が庶民に広まると、お正月は一年の節日でその日は贅沢な料理を家庭で用意するようになりました。その頃から「おせち料理」と呼ばれ、家族でその年の健康や幸せを願い、正月に神にお供えしたおせち料理を頂きました。
また神様を迎えている正月は、台所で仕事をしないという決まりがありました。それは、神様がいる間は騒がしくしないという意味やお母さんが台所仕事を三が日の間は休ませるためとも言われています。

おせち料理のお重の入れ方と食べ物の意味

おせち料理を重箱に詰め、重ねて用意するのは、めでたさを重ねるという意味で縁起をかつぐためで、 今は五段重と三段重が基本になっています。

・ 一の重:「祝い肴」黒豆、数の子、ごまめなど。
・ 二の重:「口取り」きんとんやかまぼこなど、甘いものを中心に。
・ 三の重:「焼き物」海の幸など。
・ 与の重:「煮物」(四は縁起が悪いとされ使われません)山の幸など。
・ 五の重:五の重は控えの重で、空になっています。

五段目が空の理由は、福を入れるための場所、将来さらに繁栄し、富が増える余地があることを示している意味もあります。

黒豆はマメに、勤勉に働けるようにとの願いが込められ、栗きんとんは、金運豊かな1年を願う料理です。昆布巻きは「よろこぶ」と言われ、縁起が良いとされ、数の子は、卵の数が多いことから「子孫繁栄」を願う縁起物とされています。
田作りは農作物の肥料として使われ、五穀豊穣を願い「ごまめ」とも呼ばれることもあります。海老は長生きの象徴だと言われ、長いひげをはやし、腰が曲がるまで長生きすることを願って正月飾りやおせち料理に使われます。里芋は子芋がたくさんつくことから、子孫繁栄を願う料理です。

このように御節料理1つ1つには意味があります。我が家では食べ物の意味を祖母が言いつつ、一つでも多くの種類の食べ物を食べるように言われていた幼い記憶がよみがえります。
年末の準備を進めながら家族でお正月料理の由来を改めて考え、日本の文化に触れ、新年が迎えられるように御節料理に挑戦してみてください。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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