【埼玉・岩槻人形】さいたま市岩槻(いわつき)は雛人形のまち!

2021年1月15日

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さいたま市岩槻は雛人形のまち!

埼玉県の南東にある、さいたま市岩槻は古くから「雛人形のまち」と呼ばれているのをご存知ですか?
なぜ、雛人形のまちと呼ばれるようになったのか、今回は岩槻と雛人形の歴史と、岩槻で雛人形を見て・学んで・楽しむ方法について詳しくご紹介します。

「人形のまち岩槻」雛人形の歴史

人形のまちとして知名度が高い「さいたま市岩槻」は、雛人形や五月人形、その他の日本人形の日本一の生産地です。
なぜ岩槻が人形のまちとして栄えたのか、まずは岩槻と雛人形の歴史について詳しくご紹介します。

はじまりは日光東照宮

岩槻の人形作りの歴史は、日光東照宮の造営からはじまったとされる一説が有名です。
1603年頃に徳川家康が江戸幕府を開き、岩槻は近くの城下町としてにぎわっていました。日光東照宮の造営や修繕に参加した全国の工匠たちが、岩槻へ立ち寄ったのをきっかけに住み着く人も多く、その中には人形造りをする工匠もいました。
もともと岩槻周辺は桐の産地として箪笥(たんす)や下駄(げた)などの桐細工が盛んでした。桐細工から出た桐粉を使い正麩糊(しょうふのり・日本の伝統的な装丁に使われる接着剤)と混ぜて、人形の形や頭部分などに使っていたそうです。この桐粉の技も岩槻が発祥の地と言われています。
また岩槻では、人形の頭の塗装に使う胡粉(ごふん・貝がらを焼いて作った白色の塗料)を溶かしたり、発色をよくするための水にも恵まれていました。

岩槻人形は伝統工芸品

人形作りが盛んになった岩槻では、1615年頃から雛の節句にあわせて雛人形を作りはじめ、江戸で雛市が出来上がる頃には関東一の雛人形生産地となりました。
雛人形作りの技術を専売品とし、雛人形を大量に作りました。その後、人形作りは岩槻の代表的な産業となり現在まで受け継がれています。
この背景をもとに「岩槻人形」は平成19年3月に経済産業大臣から、伝統的工芸品として指定されています。

観光なら「岩槻人形博物館」。雛人形イベントも!

岩槻に行ってみたいけど、観光する場所やイベントがあるのか知りたい方は必見です!
人形のまち岩槻で歴史や文化を学びながら楽しめる「岩槻人形博物館」や、雛人形にちなんだイベントについて詳しくご紹介いたします。

岩槻人形博物館

岩槻人形博物館は2020年2月22日にオープンしたばかりで、岩槻に携わってきた人と人形の歴史を探り、未来へと文化を受け継いでいく日本初の人形専門の公立博物館として誕生しました。
岩槻人形博物館は常設展示室が2つに分かれており、展示室1では、人形ができるまでの工程を知ることができます。人形作りは頭、胴(衣装)、小道具など分業で行われ、最終的には卸売り先の問屋にて組み立てられて完成します。岩槻人形博物館では伝統的な技による頭作りを中心に、制作で使う道具や完成までの流れと職人の技をご紹介しています。
その他にも、埼玉県で生まれた人形として節句飾りや雛人形に添えて飾られる「浮世人形(うきよにんぎょう・三月の節句で飾り揃える人形の総称)」や「裃雛(かみしもびな・親の思いをこめて節句に送られた人形)」など、岩槻を中心とし作られてきたゆかりのある人形や関連資料なども展示されています。

展示室2には、三月の節句の雛人形をはじめとした節句人形が展示されており、江戸時代に作られた様々な雛人形が見学できます。その中でも、五人囃子(ごにんばやし)や三人官女(さんにんかんじょ)、雛道具まで揃えた立派な雛段が常設されています。豪華な雛飾りが楽しめます。

その他にも、人形だけでなく雛人形に関する絵画や、海外の様々な人形や玩具が展示されています。
ミュージアムショップも併設しており、岩槻人形博物館の展示品を模したグッズやガイドブックなどが販売されています。カフェ・ドリンクコーナーもあるので観光で歩き疲れたら休憩がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

開館時間
午前9時~午後5時
※閉館時刻の30分前までにご入館ください。

休館日
月曜日(休日の場合は開館)
年末年始(12月28日から1月4日まで)
※臨時休館日についてはトップページのお知らせをご覧ください。

HP
https://ningyo-muse.jp/

さいたま市岩槻人形博物館
住所:〒339-0057 埼玉県さいたま市岩槻区本町6丁目1-1
TEL:048-749-0222

岩槻で行われる雛人形イベント

人形のまち岩槻では1年を通して、人形の歴史と文化に触れ合えるイベントが開催されています。
子供から大人まで一緒に楽しめるイベントをいくつかご紹介をしますので、この機会に岩槻に足を運んでみてはいかがでしょうか?

まちかど雛めぐり(2月下旬から3月上旬)

日本一の雛人形の生産地と知られる岩槻では、観る・創る・食べるを楽しめるイベント「まちかど雛めぐり」が、岩槻駅東口の商店街エリアにて毎年2月下旬から3月上旬頃に開催されています。
岩槻の人形店で代々伝わる古い人形や、人形職人によって制作された人形を見て、岩槻の人形文化に触れることができます。その他にも、雛人形のつるし飾りなどの制作体験や、桃の節句にちなんだ料理、子供達が街中を練り歩くおひな様パレードなどが楽しめるイベントとなっています。
期間中に愛宕(あたご)神社で開催される大雛段飾りでは、愛宕神社内の27段の石段に400体のぎっしりと並べられた雛人形たちが印象的です。

流しびな(3月3日の直前の日曜日)

流しびなは、ひな祭りのルーツにもなったと言われている伝統行事で、岩槻城址公園内で開催されます。
子供たちのすこやかな成長と無病息災を願い、さん俵(円形の藁で編んだ人形やお供え物をのせるもの)の中に紙や草木で作った雛人形を入れ、池に流します。

岩槻まつり(8月下旬の日曜日)

岩槻の真夏の一大イベントである岩槻まつりは、子供から大人まで人形に仮装したパレードとは別で、仮装した人たちが幅10メートル、高さ8メートルのジャンボ雛段にのぼる、人間による豪華絢爛な雛段飾りが披露されます。とても大きな雛段飾りは、普段ひな祭りで飾る雛人形とはまた違う魅力を楽しめます。

※2020年は新型コロナによる緊急事態宣言の発令を受け開催中止が決定しています。

人形供養祭(11月3日の祝日)

全国的に有名な人形供養祭では、家で飾らなくなった人形や壊れて使わなくなった人形を岩槻城址公園内で供養ができ、実際に僧侶の方がお経を読み上げ、参加者は焼香します。お焚き上げして人形たちの冥福を祈ります。
供養できる人形は、雛人形(道具類を含む)や五月人形(鎧・かぶとを含む)などの日本人形の他、西洋人形やこけし、ぬいぐるみが対象です。
供養できないタイプの人形は、ガラスケースに入った人形や鉄製の雛段、陶器製の人形、だるまなどになります。
供養料や開催実施については直接、岩槻人形共同組合までお問い合わせ下さい。

お問い合わせ先
岩槻人形協同組合
電話  048(757)8881
FAX 048(757)8891
受付時間 午前9時30分から午後4時30分まで
https://www.doll.or.jp/event/#5

雛人形を購入するなら歴史ある岩槻人形がおすすめ!

今回は、岩槻と雛人形の歴史、岩槻で雛人形を楽しむ方法についてご紹介しました。
岩槻には昔ながらの技法を受け継ぎ、今でも職人たちが人形が作っています。雛人形の購入やプレゼントを検討されている方は、歴史のある岩槻人形を選んでみてはいかがでしょうか?岩槻人形の歴史や価値を知ることで、きっと思い出深い記念になること間違いなしです!

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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