女の子の初節句・桃の節句にお雛様と飾るお雛道具とその意味

2021年1月19日

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お雛様と飾るお雛道具の意味は?

女の子の初節句には欠かせないお雛様ですが、人形だけでなく小さなお雛道具もたくさん付いています。
一緒に飾られているお雛道具とその意味についてご存知ですか?
今回は、初節句で飾られるお雛道具にどのような種類と意味があるのか詳しくご紹介します。

初節句とは?

初節句とは、赤ちゃんが生まれてから初めて迎える節句のことを表し、健やかに成長するように願う行事です。
1月7日七草の節句、3月3日桃の節句、5月5日端午の節句、7月7日たなばた、9月9日菊の節句と年に5日あり、五節句と呼ばれています。
この五節句のうち、子どもの節句は3月3日桃の節句、5月5日端午の節句の2つです。

雛人形のメイン「お雛様」と「お雛道具」

初節句で飾られる雛人形の中でも主役になってくるのが、お雛様。
お雛様を選ぶ時に重要視されている髪型にも種類があるのはご存知でしょうか?
また、お雛様や他の人形に持たせたり、周りに飾ったりするお雛道具ですが、それぞれに意味があります。
意味を理解しながら飾れば、お子様と過ごす毎年のひな祭りもさらに楽しめるようになりますね。
今回は、お雛様選びで重要な髪型やお雛道具の持たせ方や置き方、その種類についてご紹介します。

雛人形で一番大切な「お雛様」の髪型

お雛様を決める時に重要になってくるのが顔と髪型です。お雛様の髪型は大きく分けると2種類あり、1つ目は平安時代から伝わる「下げ髪」、2つ目は江戸時代からの「大垂髪(おすべらかし)」と呼ばれる髪型です。
どちらの髪型も「髪付け師」と呼ばれる10年以上修行を積んだ熟練の職人によって仕上げられます。
乱れた髪型のお人形は、見た目の印象も悪く見えてしまい、お雛様の顔のイメージも良いものとは言えません。
最近では、お雛様の顔が白いばかりではなく人間と同じように肌感覚の色味を付けたものもあり、その顔の印象をさらによく見せてくれるのが髪型と言っても過言ではありません。
そんな、雛人形の顔の印象を決めてしまうほど重要な髪型について、詳しくご紹介をしていきます。

下げ髪

雛人形の髪型の内の1つ、下げ髪は別名「割り毛」とも呼ばれており、平安時代の貴族達がよくしていた日本古来の髪型とされています。
平安時代の絵巻や源氏物語の中の女性によく使われている髪型です。一部のお雛様に使われており、上品な髪型と評価されています。
下げ髪のお雛様は、丸い温かみのあるフォルムのものが多く、表情もふっくらと優しく可愛らしい印象となります。

大垂髪(おすべらかし)

令和へと年号が変わる際に新天皇陛下の即位の礼が執り行われました。その時に皇后陛下(雅子様)の髪型をテレビなどで見た方も多いと思います。
2つ目は、その美しく華やかな髪型が「大垂髪(おすべらかし)」と言われ、現在のお雛様にはほとんど使用されており一般的な髪型として親しまれています。
大垂髪の髪型をしたお雛様は、凛とした姿が可愛らしさよりも美しさや優雅さを引き立たせる大人っぽい印象です。

髪の毛の素材について

昔のお雛様には本物の髪の毛を使ったものもあったそうですが、現在使われているほとんどの素材は「スガ糸(絹糸)」と「ナイロン糸」の2種類です。

スガ糸(絹糸)

スガ糸は蚕(かいこ・絹糸を作る蛾)から紡いだ絹糸を黒く染めた天然素材のもので、見た目はしっとりとした自然な雰囲気を感じさせます。
昔は多く使われていましたが価格の高騰で現在は少し高めのお雛様に使われています。

ナイロン糸

ナイロン糸は現在ほとんどのお雛様に使われており、価格も安く、虫食いやカビの心配もありません。
見た目はツルツルと光沢があります。

お雛道具の種類とその意味

雛飾りとして欠かせないお雛道具ですが、屏風(びょうぶ)やつるし飾り、お雛様が持つ小さな道具まで様々なものがあります。
それぞれどんな種類や意味があるのかご紹介します。

屏風(びょうぶ)

屏風とは、部屋の仕切りや飾りなどで使う家具のことです。
飾りの中では、お内裏様とお雛様の後ろに立てて使います。
屏風の種類は、金屏風、木製の屏風、漆器の屏風など様々ですがその中でも金屏風は「お二人の未来が光輝くように」という意味もあり、雛人形の後ろに立てることで光を反射してお内裏様とお雛様をより美しく見せる効果があります。
漆で塗られたものや桜の花が描かれた屏風は安定した需要がありますが、最近では現代に合わせたシックな黒塗りの屏風も人気です。

毛氈(もうせん)

毛氈は雛人形たちの下に敷く真っ赤な布です。羊毛などを圧縮して作られた手織物で、命の色といわれている緋色(ひいろ)の布を敷くことで魔よけの意味も持つといわれています。

雪洞(ぼんぼり)

雪洞は、長柄(ながえ)のろうそく立てを絹などで覆った灯具です。
江戸時代の結婚式は夜に行うのが一般的だったため、雪洞の灯りは欠かせないものでした。結婚式の華やかなライトアップのように、お内裏様とお雛様の顔がほのかに照らされるよう二人の左右に配置しましょう。

桜橘・紅白梅

桜橘は京都御所にある紫宸殿(ししんでん)の実際に植えられている樹木の配置にならって置かれたお雛道具です。
紫宸殿で行われる結婚式では、天皇陛下と皇后陛下が北を背にして座り、正面から見て左側にあるのが橘の木で右側に桜の木が植えられています。
また、紅白の梅を飾る雛人形もあり、この場合は正面から見て左側に白梅、右側に紅梅を置きます。紅白なので縁起の良い樹木として雛人形の飾りにされています。

貝桶(かいおけ)

貝桶とは六角形をした漆で塗られたお雛道具です。昔は貝合わせ遊びの貝を入れておくためのものとして使用されていました。
江戸時代に大名の娘が嫁入り道具として持参し、裕福な家庭の象徴ともいわれています。
よく似ているお雛道具で円筒情の行器(ほかい)がありますが、こちらは食べ物を入れておく弁当箱のようなものです。形は似ていますが全く別物なので気をつけましょう。

三方(さんぽう)

三方は漆塗りの台のようなもので、三つの方向に穴が空いてます。三方の上にはとっくりの形に似た瓶子(へいし・お酒などいれる容器)を置き、熨斗のついた梅や桃の花が飾られています。
現代では熨斗や水引など縁起が良いもので花をあしらったお飾りになっていますが、本来は三方に乗った瓶子に魔よけの意味がある白酒を入れて飾っていました。

高坏(たかつき)

高坏は食べ物を盛る器に脚がついたもので、高貴な人に食べ物を献上する時に使われた道具です。ひな祭りでは紅白のお餅や和菓子を置きます。

菱餅(ひしもち)

赤、白、緑のお餅を重ねて菱形に切られた菱餅は、春らしい配色でひな祭りを象徴するお餅です。
桃の節句で食べる食事のひとつで、三色の菱餅は明治時代頃から広まったといわれています。
上から順番に赤・白・緑となっており、これは雪の下には緑が芽吹きはじめ、雪が溶け出した上に桃の花が咲いている様子を表したものです。菱形の形は長寿、子孫繁栄など様々な意味があり、大地そのものを表しています。

お雛様の種類を知って、一生大事にしたい雛人形を見つけましょう

今回は、お雛様の髪型や、お雛道具の種類と意味をご紹介しました。
お雛様に様々な種類があるように、お雛道具にもたくさんの種類があり意味が込められています。意味を知りお子様に教えながら飾ればより一層、ひな祭りも楽しめること間違いなしです!

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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