【図解】段数別!雛人形の正しい並べ方(二段・五段・七段)

2021年1月19日

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雛人形の正しい並べ方はご存知ですか?

ひな祭りの雛人形には、男雛、女雛、三人官女や五人囃子(はやし)など、たくさんの人形が並んでいますが、正しい並べ方はご存知ですか?
その他にも普段見かけないような雛道具も多いため、どこの段にどの雛人形を飾るのか、どの順番で雛道具を並べたらよいのかなど、飾り方や並べ方に悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。

今回は、毎年忘れがちな雛人形の並べ方と雛道具の飾り方についてご紹介します。

段数別!雛人形の正しい並べ方(三段・五段・七段)

日本は古くからお祝いや縁起がつく物事には、数字の2・4・8など数が割れる偶数を避ける傾向にありました。
それを意識して雛人形は、一段、三段、五段、七段飾りが多く作成されています。
どの段飾りも基本的な並べ方は同じですが、三人官女や五人囃子の人数や、地域によって並べ方が異なる場合があります。まずは、雛人形の基本の形となる「七段飾り」の並べ方・飾り方を紹介します。

また、雛段を飾りつけする時の注意点として、上の段から雛人形・雛道具を並べていきます。上の段から並べることで、飾る時に誤って人形や道具を落としても、下の段にある飾りを傷つけたりする可能性が減るからです。

関東と関西では並べ方が違う

雛人形を購入したお店から聞いた通りに並べたのに、親戚などから並べ方が違うと言われて困ったことはありませんか?雛人形の並べ方には日本の歴史に関わりがあり、地域や時代によって異なります。
例えば、関東と関西では男雛と女雛の置き方が逆になることが多く、昔の日本では「左方上位(左側が位が高い)」とされてきました。一方、皇室では明治時代の終わり頃から西洋のルールに沿って天皇陛下は皇后陛下の右側に立つようになりました。
この背景から、関東は近代のルール、関西は昔のルールに合わせて雛人形を並べており、どちらも正しいし間違いとも言えません。地域の並べ方に合わせて飾ってみるとよいでしょう。

一段目(男雛・女雛)

今回は関東の並べ方を参考にご紹介していきます。
男雛は正面から見て左に冠をかぶった状態で、手に笏(しゃく・細長い薄い板)を持ち、左脇に刀を差します。冠は真っすぐ立てるようにかぶせましょう。冠についている紐は、二つの輪を作り左右のかんざしにかけます。最後に紐を男雛のあごにかけて結ぶと固定することができます。
女雛は正面から見て右に、檜扇(ひおうぎ・木製の扇)を広げて手に持たせるようにしましょう。持たせにくい場合は、人形の腕の部分を少し動かして袖口より胴体に近い場所で持たせてください。

最後に男雛と女雛の後ろに金の屏風を立てて、その両脇に雪洞(ぼんぼり・提灯のようなもの)を置きます。男雛と女雛の間に、お神酒をのせた三方(お供物に使う四角い台で胴の前と左右に穴がある)を飾ります。

二段目(三人官女・さんにんかんじょ)

一人だけ座っている官女がいる場合、座り姿の人形を中央へ置き両側に立ち姿の官女を並べます。まれですが、立ち姿の官女が一人の場合もあります。その場合は、立ち姿の官女を中央に置きましょう。
関東地方では、中央の官女が三方を持ち、正面から見て右側の官女が長柄銚子(ながえのちょうし・柄の長い酒器)、左側の官女が提子(ひさげ・やかんや鍋のような器)を持ちます。
関西地方では、中央の官女に島台(しまだい・お祝いの飾りの置き物)を飾ります。
立ち姿の官女が右か左かわからなくなった時は、人形の左手を見てください。左手の指が伸びている方が正面から見て左、左手の指が物をつかむように曲がっている方が正面から見て右です。そして三人官女の間に高坏(たかつき・お菓子などを盛る高い足の小さな台)を置いて、お餅などを飾ります。

三段目(五人囃子・ごにんばやし)

正面から見て右から歌い手、笛、小鼓、大鼓、太鼓の順番で並べます。右側から順に小さい楽器が並んでいるのが特徴です。
関東では、能楽の地謡や囃子方を並べる場合が多いですが、関西では雅楽の楽人を並べることもあります。

四段目(随身・ずいしん)

随身とはボディーガードのような役割を指しますが、雛人形の別名では「矢大臣(やだいじん)」、または「右大臣・左大臣(うだいじん・さだいじん)」とも言われています。
少しややこしいですが、この随身の右・左の位置は雛人形側から見た位置になります。従って、正面から見て右が「左大臣」、左が「右大臣」です。左大臣の方が格上とされていますので老人の人形、右大臣は若者の人形です。
随身は、左手に弓を右手に矢を持ち、矢を入れる胡簶(やなぐい)を背負っています。

五段目(仕丁・しちょう)

この三人は「泣き・笑い・怒り」の3つの表情で作られているので、別名「三人上戸(さんにんじょうご)」とも呼ばれています。
持ち物は向かって左から、台笠(だいがさ・かぶり笠)、沓台(くつだい・靴を置く台)、立傘(たてがさ・柄の長い傘)です。関西では箒(ほうき)、塵取り(ちりとり)、熊手(くまで)を持ちます。
仕丁の両脇には「桜と橘」を置きます。桜が正面から向かって右、橘が正面から向かって左になるように置きます。

六段目(嫁入り道具)

嫁入り道具は上級武家の家具を参考にしています。
正面から向かって左側から箪笥(たんす)、長持(ながもち)の上に挟箱(はさみばこ)、鏡台(きょうだい)、針箱(はりばこ)、火鉢(ひばち)、衣裳袋(いしょうぶくろ)、茶道具(ちゃどうぐ)の順で並べます。

七段目(御輿入れ道具)

中央へ重箱、正面から向かって左に御駕篭(おかご)、右に御所車(ごしょぐるま)を置きます。

三段飾り・五段飾り

現在の住宅事情に合わせてコンパクトな三段飾りや五段飾りも最近では人気です。また、三段飾りは床に直接飾れるメリットがあるので、平飾りなどと違い、飾るためのテーブルや台などを用意する必要もありません。
三段飾りの場合、一段目に男雛・女雛、二段目に三人官女、三段目に嫁入り道具を並べましょう。
五段飾りの場合は、一段目に男雛・女雛、二段目に三人官女、三段目に五人囃子、四段目に随身、五段目に嫁入り道具を飾ったものが多いでしょう。

ガラスケースや台座付きの場合

ガラスケースや台座付きの雛人形の場合、それぞれのデザインや大きさによっても並べ方は異なりますが、基本の一段目の並べ方と同様です。男雛・女雛を置きその周りに雛道具を飾りましょう。メーカーによっては、雛道具がない場合もあります。
また、ガラスケースの場合はすでにケースの中に男雛・女雛が並べられており、その他の飾りも全て入っている事が多いため、片付けする手間が省けることもメリットです。

忘れがちな雛人形の並べ方もこれでバッチリ!

今回は雛人形の並べ方や雛道具の飾り方についてご紹介しました。
基本的な雛人形の並べ方を覚えておけば、お子様と一緒に毎年楽しく雛人形を飾ることができますね。また、雛人形を飾った時に写真などで記録をしておくと次に並べる時に迷う心配がないのでおすすめです。

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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