雛人形の立ち雛とは?座雛との違いは?人気の立ち雛もご紹介します!

2021年1月19日

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雛人形で思い浮かべるのは台の上にお内裏様(男雛)とお雛様(女雛)が並んで座っている姿ですよね。
雛人形の歴史を振り返ってみると、はじまりは立った状態の立ち雛だったことはご存知ですか?
今回は、立ち雛と座り雛との違いや人気の立ち雛もご紹介します。

雛人形の元祖「立ち雛」

雛人形の元の姿は立っている姿勢の人形でした。
これは、紙で人間の形をした「形代(かたしろ)」や「人形(ひとがた)」を作り、その人形で女の子の身体をなでたり息を吹きかけたりして汚れや災いを人形へと移し、川や海に流し捨てた事がはじまりと言われています。
または、源氏物語や枕草子に登場する、貴族の女の子の「ひいな遊び」というままごとがはじまりとも言われています。
現在でも東北地方の一部では、法事の際に留め袖の中に紙で作ったお人形を入れて参列するという風習が残っており、その人形も立ち姿をしています。
座っている雛人形は江戸時代の中頃から作られるようになりました。

立ち雛が流行する?

江戸時代の初期までは、立ち雛の雛人形もたくさん存在していましたが、時代が進むにつれて内裏(宮中)の生活を模した座り雛が主流となっていきました。
しかし、ここ近年でまた立っている姿の雛人形を見かける機会が増えてきました。
現代の住宅事情に合わせてコンパクトな雛人形が売れているのが背景にあるかもしれませんが、フローリングのお部屋にはスラッとした姿の立ち雛がオシャレに映えます。
シンプルでおしゃれな雛人形を探している方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

初節句で立ち雛は選ばない方がいい?

初節句では立ち雛を選ばない方がいいという噂を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この噂には根拠がなく、先ほどご紹介した立ち雛の歴史的背景を考えれば全く問題ないですよね。
現在の座り雛が主流になったのは江戸時代の中期から後期にかけてと言われており、その前は立ち雛が主流でした。
噂に惑わされることなく、座り雛に限らず気に入った雛人形を初節句飾りとして選ぶのが一番です。

立ち雛の特徴

お雛様の歴史の中でも古く格式が高い雛人形である立ち雛は、お内裏様(男雛)とお雛様(女雛)二人のみの親王飾りなのでシンプルに場所を問わず様々な場所に飾ることができます。
雛道具の雪洞(ぼんぼり)や桜橘(さくらたちばな)などを飾らない場合が多く、準備や片付けが簡単です。
雛人形を飾る際の部品も少ないのでコンパクトなサイズが多いのも特徴です。

衣装着や木目込みで作られている

衣装着の立ち雛は、天皇陛下が結婚式や即位の礼などで着用する、黄櫨染(こうろぜん)の束帯が再現されていることが多く、歴史的に格式が高い雛人形が好まれています。
木目込み人形では、真多呂人形で東宮雛や古今人形として歴史を感じる雛人形が販売されています。真多呂人形の立ち雛は、特に格式が高い雛人形を選ぶ方におすすめです。

立ち雛のメリット

立ち雛の魅力をいくつかご紹介します。
女の子が多いご家族では、お姉ちゃんの時は段飾りを買い、妹の時にはシンプルな立ち雛をプレゼントしてあげるというケースもあります。
雛人形選びの参考にしてみて下さいね。

メリット1

お内裏様(男雛)・お雛様(女雛)だけのお飾りでコンパクト

メリット2

シンプルでおしゃれなデザインが多く、大人も楽しめる

メリット3

雛道具を省いたお飾りが多く、準備や片付けが簡単

メリット4

雛人形のルーツとも言われる立ち雛は、格式高いデザインのものが多い

立ち雛と座り雛の違い

立ち雛の作り方は型紙や使う材料、立ち姿にするための台も必要になる場合もあり、作り方も職人によって異なります。
立つことに重点をおいて作っているので、座っている人形より作りが難しいとされています。
また、付属の雛道具の大きさも座り雛に比べると、屏風などが背の高い飾りになっています。

人気の立ち雛おすすめ5選!

立ち雛のおすすめ商品を5つ集めました。
座っている雛人形と比べたら、飾る間口は小さくなりますが、雛人形は大きく見栄えします。
また、生産量が少ないため同じ雛人形も少なく希少価値もあります。
準備や片付けも簡単で良いことづくしの立ち雛をこの機会に選んでみてはいかがでしょうか。

立雛 黄櫨染 有職紋様

お内裏様(男雛)には黄櫓染(こうろぜん・天皇陛下が儀式で着用する装束)、お雛様(女雛)には有職文様柄(ゆうそくもんようがら・平安時代の衣装や調度品に使われていた柄)の衣装を模した着物で、凛とした姿が魅力の親王飾りです。
内閣総理大臣賞を受賞した工房の作品で、お顔は、かわいい赤ちゃんのような親しみやすい表情です。
屏風は、桜模様がデザインされた金屏風がセットになっています。
ブランド:人形工房天祥オリジナル
サイズ:間口(横幅)40センチ×奥行24センチ×高さ25.5センチ

立雛 親王飾り 漆器の漆器

漆器でつくられた立ち雛は、漆器の持つ質感や色の重ね方、艶やかな塗り具合から伝わる熟練した職人技が輝る作品です。
時間をかけて手作りで出来上がったこの作品は、伝統工芸品として希少価値が高い逸品です。
かわいい顔立ちですが、黒の飾り台と金の屏風でモダンな雰囲気の雛人形として、オシャレに飾ることができます。
ブランド:人形工房天祥オリジナル
サイズ:間口(横幅)33センチ×奥行22.5センチ×高さ34センチ

吉徳大光×天祥 親王飾り 立雛

吉徳大光の衣装着の立ち雛シリーズは、間口が小さめで縦の高さはスッとしていて全体的にスタイリッシュな印象を与えます。
艶やかさや華やかさは人目を惹くほど豪華に、それでいてコンパクトに飾ることができる親王飾りの商品です。
桜のモチーフが付いた台屏風セットに、気品のある立ち姿の雛人形です。
ブランド名:吉徳大光
サイズ:間口(横幅)78センチ×奥行42センチ×高さ54センチ

久月×天祥 津田蓬生作 親王飾り 立雛

気品がただよう色使いで、お雛様(女雛)の衣装が流れるような美しい曲線の形をしていて、女性らしさを引き立てます。
また、雛人形を手掛けているのは経済産業大臣指定の伝統工芸品「江戸節句人形」の伝統工芸士の津田蓬生(三代目)です。
雛人形は小さいサイズがコンパクトで飾りやすいですが、ある程度の大きさがあった方が見栄えがよく豪華にお祝いができます。
ブランド名:久月
サイズ:間口(横幅)70センチ×奥行33センチ×高さ45センチ

吉徳 親王飾り 立雛 (正絹有職文様織物)名前札対応

創業から300年以上も続く「人形は顔がいのちの吉徳」で有名な吉徳大光がおくる吉徳大光ブランドの立ち雛です。
お雛様(女雛)の衣装が、正絹(しょうけん)の束帯十二単で上質感あふれ出る高級な雛人形です。
古くから高貴な色として紫色が使われており、それに伝統的な文様柄を織り出して作られた衣装が特徴的です。
桜の柄がデザインされた金屏風セットに、気品のある立ち姿の雛人形です。
ブランド名:吉徳大光
サイズ:間口(横幅)68センチ×奥行45センチ×高さ68センチ

立ち雛を飾って女の子の成長を祝おう

今回は、立ち雛と座り雛との違いや人気の立ち雛をご紹介いたしました。
雛人形を購入する際に座り雛を選ぶ方が多いと思いますが、立ち雛は雛人形の元祖に当たるので、女の子の健やかな成長を見守る人形としての役目に変わりはありません。
他の人と同じ雛人形を飾りたくないという方は、ぜひ立ち雛を選んでみてはいかがでしょうか。

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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