雛人形をおしゃれに演出してみよう!

2021年11月28日

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毎年雛人形を飾る期間は、それほど長くありません。立春の頃から飾り始めるのが一般的のようなので、だいたい1ヶ月程度でしょうか。せっかく自慢の雛人形を飾っても家の中だけで眺めているのはもったいない!SNSに投稿してもっとたくさんの人に見てもらったり、
お客様を招いて一緒に楽しんでもらうために、雛人形をおしゃれに演出してみてはいかがでしょう。
記念撮影をする場合でも、ちょっとした工夫や気配りで写真のクオリティがぐっとアップします。少しだけ手間がかかりますが、それもいい思い出になって後で見返すのが楽しみになること間違いなしです。

目次


  1. 雛人形にまつわる話

  2. 雛人形を盛り上げる演出をしよう

  3. プロカメラマンに聞く、雛人形の写真をおしゃれに撮るコツ

  4. さいごに

雛人形にまつわる話


雛人形はもともと平安時代に京都御所で行われた貴族の婚礼儀式を模したものとされていますので、
御所内の天皇がお住まいになられた場所の名称である「内裏(だいり)」から「お内裏様」と呼ばれるようになりました。
ちなみに男雛だけを「お内裏様」と思われている方も多いようですが、男女雛両方合わせて「お内裏様」が正しい言い方です。


平安時代からさまざまな変遷を遂げ、雛人形が現在のような形態になったのは江戸時代の後期で、関東では段飾り、関西では建物の中に飾る御殿飾りが流行しました。三人官女や五人囃子もこの頃登場しています。
平安貴族のお召し物は、縁起の良い鶴、亀、鳳凰や松竹梅、菱、唐草、流水といった連続する文様がよく使われていました。これは吉祥文様と言って、その柄が持つ特徴から災厄避け、不老長寿、子孫繁栄などの意味が込められています。連続する模様が多いのも「代々続く」という意味で好んで使われました。当時は最先端のおしゃれだったようです。


現代でも着物の柄によく用いられていて、特に格調高い柄とされています。中でも高貴な人のみが着用を許されたものを「有識文様」と言い、最高級であることの証です。
雛人形のお供え物やお道具のひとつひとつにも縁起の良い意味がいろいろ込められています。例えば、菱餅は赤、白、緑の3色ですが、赤は魔除けの意味があり、解毒作用のあるクチナシの実を使用して着色します。白は血圧を下げる効果があるとされている菱の実で、繁殖力の強さから子孫繁栄や長寿、白い色は清浄や純潔といった意味があるそうです。緑は厄除け効果があるとされるヨモギを使って着色します。菱餅ひとつにもこんなにたくさんの意味が込められているなんて驚きですね。

雛人形を盛り上げる演出をしよう


桃の花や菜の花といった定番の春らしい花も素敵なのですが、見慣れているせいか新鮮味に欠けてしまいます。ミモザやラナンキュラスといった今風の花を飾るとおしゃれ度がアップします。
また、ドライフラワーのアレンジメントはちょっと大人の雰囲気になります。



ドライフラワーとしても人気があるミモザですが、イタリアでは3月8日の国際女性デーは「女性の日」ということで男性が女性にミモザの花を贈るそうです。「真実の愛」という花言葉も雛人形に添えるのにもぴったりです。
大輪の花で存在感あふれるラナンキュラスは、花びらが幾重にも重なっていて、まるで女雛の十二単のようです。ミモザと組み合わせても素敵に仕上がります。
洋風のお部屋にいきなり雛人形があると、ちょっと唐突な感じがする場合もあります。そんな時は周辺に和を感じさせる小物を一緒に飾ってみるのも効果的です。



春の柄の扇子やタペストリーなど工夫次第でおしゃれに演出することができます。また、お手持ちの着物や手拭い、帯などでも代用できますし、ご自身であれこれハンドメイドしてみるのも楽しいのではないでしょうか。

Instagramよりchikuwa15さんの投稿 https://www.instagram.com/p/CLDf-8Orf6V/

プロカメラマンに聞く、雛人形の写真をおしゃれに撮るコツ


雛人形の演出がおしゃれに出来上がったら、記念に写真を撮りましょう。SNSなどに投稿するのもいいですよね。少しでも上手に“映える”写真が撮りたい!けど、どうしたら…⁈
大手広告代理店で25年以上CMカメラマンとして商品写真などを手がけてきたプロカメラマンに、雛人形を上手に撮るコツを教えていただきました。

・雛人形が美しく撮れる場所は?
「雛人形を飾る場所が限られてしまうお宅もあるかと思いますが、基本的に窓際や日の光が直接当たるような場所は撮影時に逆光になりがちですし、そもそも、お人形の品質保持のためにも良くありませんので避けてください。理想的なのは直射日光が当たらない室内の壁際です。自然の光だけでも綺麗に撮れます。お部屋の向きにもよりますが、東側から光が入る場合は午前中、西から光が入る場合は午後の時間帯がお勧めです。」


・ストロボは使わずにその場の光を生かして撮る

「カメラでもスマートフォンでも、暗い時にはストロボを使った方がよく撮れると思われている方が多いのですが、人工的な光が強すぎて味気ない雰囲気になりがちです。多少暗くてもストロボは使わずに、撮影時の明るさ設定で調節して、そのままの光で撮影した方がおしゃれな雰囲気の写真が撮れます。」


・照明を使う

「夜に撮影する場合、フロアライトなど移動できる照明器具を横に置いて撮影するのもお勧めです。光を当てている方から撮ると、顔に優しい光が当たり、フラットな感じになりますし、逆光で撮るとどこかドラマティックな感じになります。」


・撮る位置や角度を工夫する

「例えば、男雛か女雛のどちらかに寄って、片方のみにピントを合わせて周囲をぼかして撮ると、擬人化されてストーリー性を感じる写真になります。また、雛人形と人物、特に女の子や女性を一緒に撮る場合は、顔が雛人形と同じくらいの高さになるようにして、カメラは斜め上の方から撮るようにすると表情が可愛らしく写りますので、ぜひ試してみてください。」

本格的なカメラじゃなくても、工夫次第でスマートフォンでもおしゃれで“映える”写真を撮ることができるそうなので、実験的にいろいろな撮り方を試してみるのもいいと思います。ぜひ参考にしてみてください。


さいごに

もちろん、雛人形をそのまま飾るのもいいのですが、ひと工夫することで、よりゴージャスに、もっとおしゃれに演出できます。一年に一度の機会なので、雛人形やひな祭りに込められている意味や願いを知ることで、その期間を楽しみ、より良い思い出作りに役立てていただければ幸いです。

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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