意外と知らない雛人形の正しい収納方法

2021年11月28日

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実家に立ち寄った時、数年ぶりに雛人形を出してみようということになり、押入れの天袋から取り出してみると、男雛も女雛も髪は乱れ、顔にはシミが…!びっくりしました。
その時は「あら、あなた達もずいぶん歳をとったものね〜」と、家族で笑いましたが、雛人形の可哀想な姿はショックでもありました。
何年も飾ることなく、天袋の中にしまいこんだまま放置していたせいもあると思われますが、たぶんそれより、片付けるのが面倒になって、きちんと収納しなかったことが最大の原因だと思います。大事な 雛人形がそんな悲しい目に遭わないように正しい収納方法を知っておきましょう。

目次


  1. 収納する際の注意

  2. 収納時には

  3. 収納に対する苦手意識をなくす

  4. まとめ

収納する際の注意


雛人形は衣装着雛人形と木目込み雛人形の2種類がありますが、どちらも本体は主に木や土、紙、 布などでできています。頭部は陶器やプラスチックなどの場合もありますが、主に木の粉に糊を混ぜて成形した物や、石膏などでできていますし、衣装には絹織物が使用されています。お道具やお供え物、人形が持つ小物などもさまざまな素材で精密に作られていますので、乱暴に扱えばすぐに破損してしまいます。


特にカビを発生させる湿気は大敵ですので天気予報をチェックして、できるだけ湿気が少ない天気の良い日に充分湿気を取ってから収納することをお勧めします。
昔から「3月3日を過ぎても雛人形を飾っているとお嫁に行けなくなる」とよく言われますが、きちんと片付けができる素敵な女性になるための教えのようなものなので、もしも3月3日以降になってしまう場合でもあまり気にせず、条件が最適な収納日を優先してください。


また、収納する場所もとても重要です。直射日光が当たる場所や水回りの近くなどは避け、適度な通気があり、湿気の少ない場所を選んで収納します。また、暖房が直接当たるような場所や寒暖差の激しい場所なども雛人形を劣化させてしまいますので、注意しましょう。
家の中で比較的湿気が少なく、雛人形の保管に適しているのは、押し入れの天袋やクローゼットの上の方の棚です。ウォークインクローゼットや納戸など比較的広めの空間の場合は、壁に結露などがないか確認した上でできるだけ高い位置に収納します。湿気が気になる時は、周辺に除湿剤や除湿機を置いたり、たまに換気して空気を循環させるなどの工夫をすると良いでしょう。

収納時には


収納する前のお手入れはとても重要です。手間を惜しまずきちんと行いましょう。


収納する時は、

1.手袋をする・・・人間の皮脂が雛人形のお顔などに付くとシミの原因になります。手をきれいに洗ってから直接触れないように布製の手袋を着用して作業します。

2.毛ばたきで埃を払う・・・雛人形に付いた埃を毛ばたきで丁寧に払います。

3.お顔を保護する・・・購入した時に巻かれていたものがあると思いますが、無い場合は不織布 でお顔を包みます。衣装着雛人形の場合、髪の毛が崩れないように気を付けましょう。

4.人形全体を包む・・・購入時に包まれていた紙、もしくは不織布で全体を包みます。最近は不織布でできた雛人形専用の収納袋なども売られています。


5.詰め込まない・・・隙間なく詰め込むと通気性が悪くなるばかりでなく、型崩れする恐れがありますので、1体1体の間は余裕を持たせます。衝撃防止や通気性を保つために丸めた紙を入れるのも効果的です。

6.人形専用の防虫剤を使う・・・雛人形には虫が大好きな素材が使われていますので、防虫剤は必ず入れるようにしますが、人形などに直接触れないように和紙などで包んで入れるようにします。防虫剤にはさまざまな種類があり、使われている成分によっては違う種類の防虫剤を併用してはいけない場合もあります。混合すると化学変化によってプラスチックが溶けたり、衣装にシミができたりすることもあるので、防虫剤の説明書をよく読んで毎年同じタイプの物を適量使うようにしてください。

収納に対する苦手意識をなくす



飾り付けたり片付けたりするのが苦手だという方にお勧めなのが、ケース入りの雛人形です。ここ数年、特に転勤が多い場合や室内でペットを飼っているお宅に大人気で、何より、埃などの汚れが付きにくいので細々としたお手入れの必要がなく長持ちします。“すっと出してさっとしまいたい”という方にはこちらのタイプが便利です。
購入時の箱に入れるのがベストですが、最近では収納に便利なグッズがいろいろ出回っていますので、それらを上手に利用してみるのもいいでしょう。例えば、除湿・防カビ効果がある桐製の箱を利用したり、100円均一の商品を使って小物を分かりやすく収納したり、工夫することで自分の環境に合った収納方法を見つけてみるのもいいかもしれません。
雛人形の大敵は、汚れ・湿気・害虫なので、しっかりガードすることは大事な雛人形を悲劇から守ることに繋がります。1年近くしまったままにしないで、湿気のない日を選んで空気の入れ替えをすることもお勧めします。

まとめ


お雛様の顔にシミができていたのは手垢が原因でした…orz
1体の雛人形には、いろいろな素材が使われています。お顔や付属の小さな部品はとてもデリケート。特に衣装は高級な絹織物でできていますので、湿気によるカビや虫食いなどの危険があります。正しい収納方法を知ってきちんと収納することは最大の防御になりますので、大事な雛人形を永く美しく飾り続けるために、手間を惜しまずに正しく収納することをお勧めします。

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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