五月人形の名前旗って何?飾る意味とは?

2022年2月14日

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5月5日の端午の節句は別名、菖蒲の節句とも言われ、昔から武家では菖蒲=尚武という考え方のもとに鎧兜や武具を飾る習慣がありました。特に後継の男子が誕生したことを神や周囲に知らせ、魔除けの意味として家の外に吹流しや幟旗、武具を飾るようになったと言われています。
最近は住宅環境の変化からコンパクトサイズになった鎧兜に名前旗をプラスして飾る家庭が増えていますが、そのルーツは武家が外飾りとして飾った幟旗だと考えられています。
名前旗にはどんな意味があるのでしょう。また、たくさんの種類がある中からどんな名前旗を選んだらいいのでしょうか。今、人気急上昇中の名前旗について少しご紹介していきます。

目次


  1. 名前旗の意味とは?

  2. 名前旗の選び方

  3. さいごに

名前旗の意味とは?



五月人形として鎧兜を飾るという風習は鎌倉時代の武家から始まったとされていますが、子どもの災厄を避ける意味で身代わりとして人形を飾るという習慣は既に平安時代から宮中にあったものです。医療が発達していなかった昔は、邪気を祓い健康長寿を願って、季節の節目ごとに節句として宴を行っていました。ひな祭り(桃の節句)や端午の節句もそのうちのひとつです。
名前旗という飾りが登場したのは、それほど昔のことではありません。都市化や住宅事情の変化から鯉のぼり、名前入りの武者絵幟など、屋外の飾りを飾ることがだんだんと難しくなっている現代で、室内でも同じような飾り方ができるようにと考案された物です。屋外ではなく室内に飾りますから、素材や仕様も全く違って、豪華な金糸の刺繍や総など見た目の華やかさが特徴的です。
五月人形と同様、雛人形も最近は大型の段飾りを飾るのが難しくなり、コンパクトサイズの雛人形が主流になっていることから、男の子に限らず女の子も名前旗を一緒に飾るご家庭が増えているようです。


子どもが生まれていちばん最初に親から贈られるプレゼントが名前です。我が子の健やかな成長、幸せな人生、立派な人格で人から好かれるように…など親のいろいろな想いや願いを託して名付けます。文字の画数や占い、辞典に載っている言葉の中から意味や響きを拾ったり、あれこれ悩み抜いて決める場合が多いと思いますが、健康で素晴らしい人生を送れるように祈って名付ける気持ちは、いつの時代もどの親も同じです。
名前旗は、子どもの無病息災を願って飾る節句人形と同じ意味が込められた特別な飾りなのです。


名前旗の選び方


名前旗は近年人気急上昇中ということもあって色や素材、柄など、実にさまざまなタイプの物が出回っています。フエルトやサテン、縁起のいい吉祥文様を織り出した布地や正絹、ちりめん素材が使われていたり、名前の他に家紋や生年月日、干支や縁起物のモチーフが刺繍されていたりと選ぶのが楽しくなるくらい、いろいろあります。
色についてもSNSなどに投稿する写真を撮るために華やかさを求めるケースが増えていますので、見た目に色鮮やかな物が好まれる傾向がありますが、五月人形と一緒に飾る時のバランスも重要になってきます。
全体の色使いや雰囲気ができるだけ近い物を選びましょう。五月人形に使われている色の中のどれか一色に合わせるのがコツです。同じ色であれば濃淡が違っていても大丈夫です。
特に考慮しなければならないのは、五月人形との大きさのバランスです。高さが20cmくらいの小さな名前旗から55cm前後の大きさの名前旗まで、幅広いサイズの物が出回っていますので、既にお手持ちの五月人形に合わせて購入する場合は、事前に高さを測っておくと失敗がありません。
また、店頭で購入する際には五月人形の写真を持参して全体の雰囲気などを確認することもお勧めです。
価格が比較的手頃でインターネット通販でも簡単に購入できますので、親戚や知人の初節句のお祝いにも最適です。ただし、オーダーメイドになりますので、間違いのないように注意しましょう。


さいごに


田舎に行くと鯉のぼりの隣に大きな名前入りの武者絵幟を見かけることがあります。都会の住宅事情ではなかなかそれも許されませんが、小型の名前旗なら気軽に飾ることができるので、お子様もきっと喜びます。
昔のように巨大な五月人形を飾ることが難しくなった現代、それぞれの住宅環境に合わせて独自の節句飾りを飾ることは決して悪いことではありません。武者人形や鯉のぼり、武者絵幟といった五月人形は、もともと江戸時代に武家だけに許されていた鎧兜や武具、幟旗を真似て商人たちが作り出した物だからです。
五月人形と一緒に名前旗を飾ることは、どうしてその名前をつけたのか、その名前にはどんな意味が込められているのか、いつもは面と向かって話せないことを語り合うきっかけになります。素敵な思い出づくりに役立てください。

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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