鯉のぼり 兜 いつ飾る?

2023年3月29日

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端午の節句に一般庶民が鯉のぼりや兜を飾るようになったのは江戸時代のことだと言われています。
では、いつ飾るのか、飾る時期に決まりはあるのでしょうか?
雛人形は3月3日を過ぎても飾ったままだと『お嫁にいくのが遅くなる』という言い伝えが有名ですが、鯉のぼりや兜をはじめ、五月人形全般にはそのような言い伝えはありません。
五月人形には子どもを災厄から守る魔除けの意味も込められていますので、ずっと飾っていても良いのですが、飾り始めるのは春分の頃〜4月中旬くらい、片付けるのは5月5日過ぎの天気の良い日を選んで、という意見が一般的のようです。
ただし、5月下旬を過ぎて梅雨が近くなると湿気が多くなってきますので、汚れや湿気に弱い繊細な素材が使用されている鯉のぼりや兜は、その前にしっかり手入れをして収納することをお勧めします。
また、一部の地域では今でも旧暦で節句を行なっています。この場合は、1ヶ月後の6月5日が端午の節句ということになります。

目次


  1. なぜこの時期なの?

  2. 飾る日は大安の方がいいの?

  3. 片付ける時の注意点

  4. 初節句は購入するタイミングも大事

  5. まとめ

なぜこの時期なの?



5月5日の子どもの日は端午の節句とも言いますが、昔から宮中では、季節が移り変わる節目には心身ともに調子を崩しやすいことから「節句」として、定期的に邪気を払ったり、旬のご馳走を食べたりする行事が行われていました。

五節句とも言われ、中国の暦をもとに一年間で1月1日や3月3日のように奇数が重なる日を節句の日と決めたのです。端午の節句もそのうちのひとつです。
気持ちや体調の変化が起きやすい季節の変わり目に注意をはらう考え方は現代でも同じですね。
3月後半の春分の日を境に、だんだんと夏に近づいていくこの時期は、香りが強いサトイモ科の葉菖蒲が繁る時期とも重なることから、葉菖蒲を薬代わりにして節句行事を行っていました。そのため別名「菖蒲の節句」とも言われます。
鎌倉時代になって武士が勢力を持つようになると、尚武(しょうぶ=武道・軍事を尊重する意味)と発音が同じことから、武具や鎧兜を飾って祝う行事へと変化していきました。以来、五月人形として鎧や兜を飾るようになっていったのです。

飾る日は大安の方がいいの?



「大安吉日(たいあんきちじつ)」という言葉を聞いたことがあると思います。これは『六曜』と言われる古来中国で生まれた暦のようなものに由来する言葉で、カレンダーなどにも「大安」や「友引」などといった言葉が書かれているのをよく見ます。
昔からお祝い事は縁起の良い日を選んで行う習慣があるため、特に結婚に関する儀式は六曜の中で最も良い日である「大安」に行うべきだとされているのです。
大安の他に「友引」や「先勝」も時間帯によっては吉とされていますので、初節句以外はあまり神経質になる必要はないと思いますが、もし気になるようであれば「赤口」や「仏滅」は避けて飾る方がいいかもしれません。
また、屋外に鯉のぼりを飾る場合は、あまり風の強い日は避けるなど、六曜よりも天気の方を優先しましょう。

片付ける時の注意点



冒頭にも書きましたが、片付ける時期は5月5日の後の湿気が少なく快晴の日が最適です。梅雨のない北海道を除き、遅くとも5月末までには片付けた方が良いでしょう。
収納時のポイントとしては、
・毛ばたきなどで埃をはらう
・鍬形などは柔らかい布で乾拭きする
・防虫剤は人形用を使う
・寒暖差、湿気が少なく、通気がある場所に保管する
などです。
室内用の鯉のぼりは五月人形と同様、埃をはらって収納します。
また、屋外に飾る鯉のぼりや幟旗の場合、汚れが気になるときは布地を傷めないように、中性洗剤を使って優しく手洗いします。(洗濯方法の指定がある場合はそれに準じてください)
洗剤成分が残っていると変色の原因になる場合がありますので、すすぎはしっかり行い、カビが発生しないように完全に乾燥させてから収納します。

初節句は購入するタイミングも大事



飾る時期は3月後半(春分の日前後)〜5月中旬が一般的ということですが、初節句を迎える場合は購入する時期にも注意が必要です。
例えば3〜4月にお子様が生まれた場合、まだ小さい上にお母さんの体調が万全ではないこともありますので、初めて5月5日を迎えるとしても、無理して五月人形を飾る必要はありません。
嬉しいことだから早くお祝いしたいという気持ちもあるでしょうが、翌年に初節句のお祝いしても良いのです。
また、お名前や家紋が入った幟旗や名前旗などは、注文してから日数がかかる場合もありますので、余裕を持って購入することをお勧めします。
慌てて前日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起が悪いとされていますので、初節句では特に禁物です。
ほとんどの人形屋さんでは5月5日に照準を合わせて売り出しますので、1ヶ月遅い旧暦で節句を行う地域でも、欲しいタイプの五月人形が決まっている場合は早めのご購入をお勧めします。

まとめ


宮中で生まれた節句行事は、社会情勢の移り変わりに合わせて独自の変化を遂げてきました。ですから「こうでなければいけない」といった明確なルールはありません。
親が子どもの健やかな成長、将来の幸せを願って飾る鯉のぼりや兜は、それぞれのご家庭で自由に飾って楽しむためのお祝い行事なのです。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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