五月人形って何歳まで飾る?

2023年4月10日

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「初節句に購入した五月人形は何歳くらいまで飾るべきですか?」「何歳になったら飾るのを止めてもいいのでしょうか?」というご質問をいただくことがあります。
五月人形は子どもが無事に成長するためのお守りとして飾るものなので、ある程度大きくなったら飾るのを止めても差し支えはありません。
何歳まで飾らなければいけない、という決まりはありませんので、例えば、高校を卒業した、成人式を迎えたなど、各ご家庭それぞれで止めるタイミングを決めて構いませんし、逆にずっと飾り続けてもいいのです。

目次


  1. 五月人形を飾る理由

  2. 止めるタイミングは各家庭それぞれ

  3. 子どもの意見も参考に

  4. さいごに

五月人形を飾る理由



五月人形の始まりは鎌倉時代、端午の節句に武家で後継の男子が生まれたことを神様や周囲に知らせるために鎧兜などの武具や吹流し、幟旗を飾ったことに由来すると言われています。
鎧兜や武具は戦のときに身を守るための道具なので、子どもを災厄から守るお守りの意味として飾られました。
医療が発達していなかった時代には、こうしたお守りを信仰することは大変重要で、もともと宮中で子どもの魔除けとして飾られていた、身代わりの人形が雛人形の起源だと考えられています。
しかし、桃の節句や端午の節句といった節句行事は貴族や武家など上流階級の限られた人々だけで行われていました。節句行事の習慣が一般庶民にまで広まったのは、商人が力を持つようになった江戸時代以降のことです。
当時は本物の鎧兜や武具を飾ることが許されたのは武家のみでしたので、商人たちは誰でも飾ることができる新しい節句飾りをたくさん作り出しました。鯉のぼりや武者絵幟をはじめ、金太郎や桃太郎、鍾馗などの五月人形が生まれたのも江戸時代です。それ以来、広く一般的に五月人形が飾られるようになったのです。

止めるタイミングは各家庭それぞれ



冒頭でも触れましたが、五月人形を飾る期間や止める時期についてのルールはありません。
昔から病気や災いを避けるために飾られてきた五月人形ですが、医療が発達した現代でも、赤ちゃんが無事に大きく育つまでは心配事が付きものです。病気や怪我などさまざまな問題も降りかかってきます。
大きくなっても学業やスポーツ等の悩みなど、心を砕く出来事が尽きることはありませんが、ある程度育てば親が面倒を見なければならない場面は自然と減っていくものです。
成長の節目である卒業や進学に合わせて五月人形を飾るのを止める方も多いようです。
また、進学や留学、就職等で一人暮らしを始めたタイミングで終了したというお話もよく聞きます。
いずれにしても、親の力を借りずに生きていけるようになり、お守りも必要なくなったということは、成長の証でもあるので喜ばしいことだと言えるでしょう。
各ご家庭のそれぞれの事情に合わせて、自由なタイミングで終了していいと思います。

子どもの意見も参考に



五月人形はお子様のお守りです。できれば、親の考えだけで五月人形を飾るのを止めるのではなく、子ども自身がどう思っているのかも、ぜひ聞いてあげてください。もしかしたら、お子様はまだ飾って欲しいと思っているケースもあります。
五月人形はどうして飾るのか、どういう意味があるのか、一緒に話してみるいい機会になるでしょう。
「大きくなって必要ないから飾らない」というよりも、「今まで守ってくれて、ありがとう。お役目ご苦労様でした」と、お子様と端午の節句の思い出話をするのもいいかもしれません。
お子様と一緒の時間を持つきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

さいごに


五月人形を飾るのを止めるのに伴って「五月人形を処分するのはどうしたらいいでしょうか?」というご質問もあります。
五月人形は一人にひとつずつ必要なお守りなので、決してお古として他の子どもにあげたりしないでください。
五月人形を必要としている団体に寄付するなど、処分する方法はいくつかありますが、自治体によっても違うので、お住まいの地域の相談窓口で調べてみることをお勧めします。
また人形の場合は、お寺や神社で人形供養を行なってもらうこともできます。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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