端午の節句は何をする日?

2023年4月12日

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昔から5月5日のこどもの日は“端午(たんご)の節句”とも言われ、男の子の成長をお祝いする日とされています。
端午の節句という言葉はよく聞きますが、具体的には何をする日なのでしょうか?
飾るものや食べるものをはじめ、端午の節句にまつわるいろいろな事を調べてみました。

目次


  1. 端午の節句は男の子の成長をお祝いする日

  2. 端午の節句は何を飾る?

  3. 端午の節句には何を食べる?

  4. 菖蒲湯に入るのはなぜ?

  5. まとめ

端午の節句は男の子の成長をお祝いする日



節句という行事は、医療が発達していなかった平安時代に始まりました。一年の中で奇数が重なる日を季節が移り変わる節目の日と考え、旬の植物を使って邪気を祓い、ご馳走を食べて健康長寿を祈るというものです。
時代の流れとともに、桃の節句は女の子の成長を祝う日、端午の節句は男の子の成長を祝う日へと変化しました。
特に生まれて初めてのお祝いは「初節句(はつぜっく)」として、親族のみんなで祝福する特別なお祝いです。
節句飾りを飾り、一緒にお祝いしたい方をお招きして会食するなど、楽しい時間を過ごすための日でもあります。

端午の節句の意味


節句飾りにはさまざまな種類があります。武士が身を守るための鎧兜や武具はお守りとして、五月人形などは子供に降りかかる災いを避けるための身代わりとして飾るものだと言われています。


鯉のぼり…昔から端午の節句には欠かせないアイテムです。最近では屋外用だけではなく、小型でインテリア性に富んだものを室内に飾るのも人気があります。



鎧・兜飾り…鎧も兜も時代の流れとともにコンパクト化しています。一番人気は兜飾りで、
特に徳川家康や上杉謙信などの武将モデルの兜に人気が集まっています。コンパクトサイズの兜に名前旗をプラスするなど、自由に組み合わせて飾り方を楽しむ人が増えています。


五月人形…太郎や桃太郎、鍾馗など、我が子も強くたくましく育って欲しいという願いをこめて、人気ヒーローをモデルに江戸時代に生み出されました。


名前旗…子供の名前が書かれた旗で、最近では女の子も雛人形に添えて飾るのが人気です。お祝いのギフトとしてもお勧めです。

端午の節句には何を食べる?


端午の節句には昔から、柏餅や草餅、粽(ちまき)を食べる風習があります。
これは、旬の植物が持つ力や栄養を取り込むことで、体調を崩しやすい季節の変わり目に、邪気を祓って健康長寿を願うという節句行事の考え方に基づいたものです。


柏餅…主に関東でよく食べられている柏の葉に包まれたあんこ餅で、柏は新しい芽が出ると古い葉が落ちることから子孫繁栄を意味していると言われています。

草餅…ヨモギの葉を混ぜ込んだお餅を使ったあんこ餅で、香りの強いヨモギは薬草としても使われ、邪気を祓う力があるとされています。

粽(ちまき)…中国の古い伝説に由来する食べ物で、もともとは供養のために作られた食べ物だと言われています。厄除けの意味を持ち、関西でよく食べられています。また、地域によって味付けや中身が違います。

また、各地方独特のお菓子を食べる風習もあります。
例えば、青森以北ではべこもち、山形では粽を笹で巻いた粽の笹巻、徳島では麦団子、宮崎では鯨ようかんなど、それぞれ昔からの特産が使われていたり、ユニークなものもあるようです。


料理に使われる食材も縁起が良いとされる物を選びます。

……5月にたくさん取れる筍は、成長が早く、たくましいことから縁起の良い食材とされています。天ぷらや煮物、炊き込みご飯などが人気です。

鰹(かつお)………同じ時期に旬を迎える鰹(かつお)も「勝つ」という意味が含まれているため、縁起の良い食材とされています。

鯛(たい)………鯛は「おめで鯛(たい)」として、結婚式などのお祝いにも必ず登場する魚です。白身で淡白な味わいで一匹丸ごと焼いた尾頭付きが豪華です。

鰤(ぶり)………鰤(ぶり)は成長するに連れて名前が変わる出世魚で、立身出世の意味から縁起の良い食べ物として端午の節句では好んで使われます。

いずれも縁起が良いことから端午の節句によく食べられていますが、まだ小さい赤ちゃんの初節句の場合は、必ずしも、これらを食べなければいけないということはありません。普段通りの食べ物や離乳食でお祝いしましょう。

菖蒲湯に入るのはなぜ?



端午の節句は、この時期に旬を迎える葉菖蒲を使って邪気を祓う儀式が行われていました。花を咲かせる菖蒲ではなく、爽やかな香りがあるのが特徴の菖蒲で、悪い気を遠ざけ、薬効もあるとされていたのです。今で言うアロマのようなものでしょうか。
江戸時代の浮世絵を見ると、昔は葉菖蒲の束を軒下に吊るしたり、子供たちが地面に打ち付けて遊んでいた様子が描かれています。菖蒲湯に入るという習慣もそれに由来するものです。
公衆浴場などでは今でも端午の節句に菖蒲湯を提供するところもあるようです。

まとめ



節句はもともと男女も年齢も関係なく、医療が発達していなかった時代に、いつまでも健康でいるために考え出された健康法でした。
旬の植物が持つ力や栄養を取り入れ、災いや悪い気を追い払って健康長寿を目指す、という考え方は現代にも通用するものです。
時代の流れとともに変化してきた端午の節句ですが、男の子のお祝いというだけではなく、毎年家族で集まれることを祝う日として、各家庭で自由に楽しく過ごしていい日なのです。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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