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初節句とは?
そもそも節句とは1年間に5つあり、「五節句」と呼ばれています。節というのは季節の変わり目を意味しており、子どもの誕生と成長を祝う節句は、3月3日の桃の節句(ひな祭り)、5月5日の端午の節句(こどもの日)の2つの節句があります。また、赤ちゃんが生まれてから初めての節句を初節句と言います。
子どもの頃に両親に雛人形や五月人形、鯉のぼりでお祝いしてもらったことは何となく覚えていても、いざ自分がパパ・ママになって祝うとなると、どのようにお祝いしたらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、初節句を迎えるにあたって、お祝いする場所や服装・料理の意味、初節句のお祝い料理についてご紹介していきます。
初節句のは外食?おうちご飯?誰を呼ぶ?
初節句のお祝い膳を食べる場所は、昔は自宅が一般的でしたが、最近ではホテルやレストラン・料亭などで両家を集めて食事会を行うという方も増えてきました。また、自宅で食事会を開く場合でも、手料理ではなく、ケータリングを利用するケースもあります。
パパ・ママ・お子さんだけの家族でお祝いする形でもいいですし、両家を招き、みんなでお子さんの健やかな成長を願うというのもいいでしょう。また、お誕生日会のように親戚や友人を招いてお祝いするという方もいらっしゃいます。
もし、両家や親戚、友人から初節句のお祝いを頂いた場合は、お礼の意味も込めて食事会へご招待することで、お祝いしてくださった方々へのお返しにもなります。
最初のお祝いということもあり、誰を呼ぶか、どこで集まるか、とても悩んでしまう方も多いでしょう。しかし、ここで一番大切なのは、お子さんと一緒に楽しむことができることです。
まだ産後すぐで体力が戻っていないママもいらっしゃるかと思います。自分の家庭に合った初節句のお祝いを無理のない形で行いましょう。
ホテルや料亭・レストランなどの外食の場合
事前の準備や後片付けの手間が省けているということで、ホテルや料亭・レストランでお食事会を行うという方も増えてきています。また、両家を食事会に招待したいけれども、賃貸などで部屋が狭かったり、近隣に駐車場がない場合など、とても便利です。
ホテルや料亭・レストランなどで食事会を行う場合の相場は、1人分4,000〜15,000円となっています。桃の節句や端午の節句のプランが用意されている場所もあります。節句に合わせて、人気のプランや会場を希望する場合、予約が取れない場合がありますので、早めに予約するようにしましょう。また、会場選びの際は、オムツ替えや授乳するスペースがあるかどうかを確認しておくのもポイントです。
ケータリングサービスや出張シェフを利用する場合
子ども用品が揃った我が家で、ゆっくりとお祝いしたいけど、料理の準備や片付けが面倒。両家や親戚、友人を呼ぶと大人数になってしまって準備が大変といった方におすすめなのが、ケータリングサービスや出張シェフです。
ケータリングサービスの相場は1人分3,000〜10,000円と幅広く、お店によっては女の子・男の子それぞれの初節句にぴったりなメニューが準備されています。仕出だけでなく、大人数の場合はお寿司やオードブルなどでお祝いするのもいいですね。
また、出張シェフの場合、1人分3,000円〜5,000円ほどで、シェフが食材を持参して、自宅で調理をしてくれます。予約時に「初節句のお祝い」と伝えておくと、シェフ側からメニューの提案されます。アレスギー対応可能な出張シェフも多数あるので、お子さんや招待する方にアレスギーがある場合は、シェフに事前に連絡しておくと良いでしょう。
自宅で食事をする場合
ママやお子さんが過ごしやすいのは何といっても我が家。外出するとなると、子ども用品がかさばって移動が大変だったり、周りの人に気を遣うので疲れてしまうという方も多いでしょう。また、せっかくの初節句は、自分で作った手料理でお祝いしたいという方や、両家からのご招待で実家で過ごすという方もいらっしゃいます。
もし、自宅で全て準備するのが大変という場合は、先ほどご紹介したケータリングサービスなどでメインを注文して、お吸い物やデザートなどは手料理という風に組み合わせてみるのもいいでしょう。
女の子の初節句「桃の節句(ひな祭り)」料理
桃の節句の定番お祝い料理といえば、「ちらし寿司」と「はまぐりのお吸い物」。そして、ひな祭りと言えば、菱餅やひなあられも欠かせません。桃の節句の料理は、どれも華やかで可愛らしい色をしているのが特徴と言えます。
また、この他に最近ではイチゴの季節ということもあり、ひな祭りケーキを用意する家庭もあります。ひな祭り用にデコレーションしたのケーキを販売しているケーキ屋さんなどもありますので、購入する際は事前に予約しておくと良いでしょう。
ちらし寿司
実は、ちらし寿司自体は桃の節句やひな祭りとは関連性や由来がありません。色とりどりの具材が並び見た目が華やかであることや、縁起がいいとされる海の幸・山の幸を使っているため、桃の節句のお祝い料理として食べられるようになりました。
例えば、ちらし寿司によく入っている海老は、見た目がくるんと曲がっていることから、腰が曲がるまで長生きできますようにという意味が込められています。レンコンは、たくさんの丸い穴が開いていることから、将来を明るく見通すという意味が、錦糸玉子は金の紙に見立てて、お金が溜まるようにという意味があります。
はまぐりのお吸い物
はまぐりは、平安時代から「貝合わせ」という対になった貝殻を探す遊びに使われていました。対になっている貝殻以外だど、絶対に合わないことから、仲のいい夫婦を表しています。一人のお相手と一生を添い遂げてほしいという願いから、はまぐりを使った料理がひな祭りの定番となりました。
はまぐりと一緒に飾り生麩や菜の花を入れると、特別な日にぴったりな華やかなお吸い物になっておすすめです。
菱餅(ひしもち)
桃色・白・緑の三色で可愛らしい見た目の菱餅は、母と子どもが健やかに成長しますようにという願いが込められています。元々は中国で母子草(ハハコグサ)のお餅だったものが、日本に伝わりよもぎ餅となりました。その後、江戸時代に大地を表す菱形となり、白餅と梔子(くちなし)で赤くした桃色の餅を組み合わせた3色となりました。赤色(桃色)は「魔除」、白色は「清浄」緑色は「健康」という意味があります。また、地域によっては2色や5色、7色の菱餅もあります。
初節句のタイミングは離乳食の時期のため、野菜を潰したものを菱餅のように盛り付けて準備すると、いつもの離乳食がひな祭りに合わせたお祝い料理になります。
ひなあられ
カラフルな見た目のひなあられですが、何色あるかご存知ですか?実は、ひなあられには緑色・赤色(桃色)・黄色・白色の4色があり、それぞれ春夏秋冬を表現しています。これは、1年を通して娘の健康を祈るという意味が込められています。
関東ではポン菓子タイプ、関西では醤油味のおかきタイプのひなあられが主流となっています。また、チョコレートでコーティングされたものなど、様々な味のひなあられが誕生しています。両家で出身地が違う場合は、ご当地ひなあられをお取り寄せして、食べ比べしてみるのも面白いかもしれませんね。
男の子の初節句「端午の節句(こどもの日)」料理
端午の節句といえば、「柏餅」や「ちまき」が思い浮かぶ方が多いかもしれません。関東では柏餅が、関西ではちまきを用意するため、出身地の違うパパ・ママは最初は戸惑うかもしれません。この他に、男の子の節句では、
うなぎやブリといった魚料理やお祝いごとの定番である赤飯、たけのこなどを用意します。それでは、それぞれの料理・食材の意味を解説していきたいと思います。
柏餅とちまき
先ほどもご紹介したように端午の節句では、関東では柏餅を、関西ではちまきを用意する習慣があります。柏餅とは、平たく丸い形にしたお餅に、間に餡を折り込むように入れたもので、外側は柏の葉に包まれています。ちまきは、もち米や米粉などで作った甘いお餅を三角形にして、笹の葉で包んだものです。関西ではこの甘いちまきが主流ですが、
関東や九州の一部では、中身がおこわの中華ちまきのことを指す場合が多いです。
柏餅とちまきの共通する特徴は、葉で巻かれているところです。柏餅の柏の葉は、新しい芽が出ないと古い葉が落ちないことから、子孫繁栄の意味があります。一方で、現在は蓮の葉や笹の葉で巻かれているちまきですが、昔は茅(ちがや)という葉に巻かれていました。この茅の葉には、病気や災いを除けると言われています。
うなぎ
人生がうなぎ上りに上がっていきますようにとの意味を込めて、うなぎの蒲焼きなどを用意します。空にはこいのぼりを、端午の節句の料理にはうなぎを用意して、男の子の健やかな成長を願いましょう。
ブリ
ブリは稚魚から成魚まで、アオコ→イナダ→ワラサ→ブリと、成長するとともに呼び名が変わることから出世魚と呼ばれています。なぜ、名前が変わることにより出世魚と呼ばれるようになったかと言うと、江戸時代の武士は、成人を示す元服の儀式や出世する際に名前を変える習慣がありました。
そのため、将来出世してほしいという願いを込めて端午の節句で出世魚を用意します。またブリのほかに、スズキ、コハダ、マグロも出世魚です。このほかに、カツオは「勝男」、タイは「めでたい」という意味でお祝いの料理に選ばれます。
赤飯(豆)
おめでたい時の定番である赤飯は、炊くとほんのり赤くなることから魔除となったり邪気を払う力があると信じられています。現代ではもち米と小豆を入れて炊いたものを赤飯と呼びますが、縄文時代には赤米を炊いたものが今でいう赤飯でした。
また、赤飯に入れる小豆などの「まめ」は、健康を意味します。まめに健康に働くという意味が込められており端午の節句以外にも、お正月にも欠かせません。
子どもたちを災いから遠ざける意味と、健康に育って欲しいという意味を込めたお赤飯は、端午の節句に必ず用意したい料理の一つです。
たけのこ
竹がぐんぐん伸びていくことから、すくすくと子どもが成長することを願って、煮物やお吸い物、次にご紹介するちまきの具材としてたけのこを使います。たけのこは品種によって、早いもので2月中旬から、遅いもので5月中旬ごろまで収穫されるため、ちょうど端午の節句の時に、旬のものを手に入れることができます。
端午の節句の離乳食
端午の節句のお祝いの料理や食材は、どうしても離乳食に向かない食材が多いです。そのため、お子さん向けには離乳食で子供の日を一緒にお祝いしましょう。離乳食中期であれば、おかゆ以外に食べられる食材も増えてきているため、様々な野菜を使うことができます。
例えば、にんじんペーストやほうれん草ペーストなど鮮やかな色の食材を使ってお粥に色をつけ、こいのぼりや兜などの形に盛り付けると、見た目も可愛い端午の節句用の離乳食を用意することができます。
子どもの健やかな成長を願ってお祝いしよう!
今回は、女の子・男の子の初節句のお祝いの場所や料理の意味についてご紹介しました。桃の節句、端午の節句どちらの料理も素敵な願いが込められたものばかりです。一生に一度の初節句、大切な方々と一緒に子どもの健やかな成長を願ってお祝いしましょう。
初節句では当日のお祝い料理以外にも、雛人形や五月人形、こいのぼりなど初めての準備がたくさんあります。雛人形や五月人形、こいのぼりの選び方や飾り方などについては、私たち工房天祥の人形専門スタッフにお任せください。真心を込めて対応させていただきます。是非、お気軽にご相談ください。