ひな祭りに食べたい!料理に加えたい縁起のいい食べ物とその意味

2021年1月15日

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ひな祭りにぴったりの春の食材をご存知ですか?

ひな祭りのように節句ごとに行われる行事では、食べ物をいただくことが多く、栄養をとる他にも季節の食材を味わうという意味もあります。
ひな祭りで食べる料理や食材は知っていても、それらに込められた意味を知っているという方は少ないのではないでしょうか。今回は、ひな祭り料理で使われる食材や縁起のいい食べ物、お菓子に込められた意味をご紹介します。

ひな祭りの料理に入れたい食材と意味

3月3日に行われるひな祭りは、女の子の成長を願う他に、春を無事に迎えられた事を喜びつつ、みんなが元気で過ごせるようにと願う日でもあります。
家族で女の子をお祝いしながら、みんなで春の食材を使った料理を食べて、春の訪れを楽しみましょう。まずは、ひな祭りに最適なお料理や食材をご紹介していきます。

はまぐりのお吸い物

はまぐりは、ひな祭りで食べるお料理の中でも代表的な食材です。
平安時代には貴族の女の子が遊ぶ「貝合わせ遊び」にも使われていました。
はまぐりの貝殻は見た目の通り、対になっている貝殻でなければぴったりとくっつきません。また、二枚貝は姫様を表すという考えもありました。この背景から仲の良い夫婦を表し、一生一人の人と添い遂げるようにという願いが込められた縁起が良い食材です。
はまぐりのお吸い物を盛り付ける際は、開いた貝の両側にそれぞれ中身を乗せるようにしましょう。
もし、はまぐりが用意できなかった場合は、代用品としてあさりなどの貝類を使うと良いでしょう。

ちらし寿司

もともとは平安時代に現在のお寿司の原型といわれている「なれ寿司」に、えびや菜の花を添えて彩りをよくして食べられていたのが由来とされています。
また、ちらし寿司には縁起のいい食材が使われていますので、一つずつご紹介していきます。

えび

腰が曲がるまで長生きできますようにという意味が込められており、長寿の象徴とされています。

蓮根(れんこん)

蓮根に大きく空いた穴には、将来の見通しが良くなるようにとの意味が込められています。

健康でまめに働き、まめに生きると言う意味が込められており、仕事や健康の象徴とされています。

椎茸

季節に関係なく年中育つ椎茸のように、元気で健康を願うという意味が込められています。

錦糸玉子

卵の黄身は金色、白身は銀色を表しており、この二色(にしき)から錦と意味が掛け合わされて財宝の意味もある縁起の良い食べ物です。

にんじん

人参のように根っこをはって強い人になって欲しいとの意味が込められています。

白酒(しろざけ)

もともとは、白酒の代わりに桃の花びらを漬けて作られた桃花酒(とうかしゅ)が飲まれていました。
桃は古くから、邪気を祓って、気力や体力の充実をもたらすといわれており、桃花酒は薬の一つとして中国から伝わりました。
また桃が百歳を表す「百歳(ももせ)」に通じる事もあり、桃花酒を飲むという風習があったそうです。
桃花酒から白酒に変わっていったのが江戸時代とされています。
白酒はアルコールも入っており大人の飲み物ですので、ひな祭りの主役の女の子にはノンアルコールの甘酒がおすすめです。

白酒を飲むようになったきっかけ

当時、白酒を売り出していた豊島屋酒店(鎌倉市に現存)の初代社長が「枕元にお雛様が現れて、おいしい白酒の作り方を伝授された」と、この話が江戸中で評判となり徳川将軍に愛飲されるようになったのが始まりです。
女性でも飲みやすい白酒は、ひな祭りで飾る桃の花と対比しており紅白でめでたいという事も、白酒が定着するきっかけになりました。

ひな祭りに準備したいお菓子と意味

続いて、ひな祭りで食べるお菓子といえば「ひなあられ」を思い浮かべることが多いと思いますが、なぜひなあられを食べるようになったかご存知ですか?
また、その他のひな祭りの定番のお菓子である菱餅(ひしもち)や引千切(ひちぎり)、桃カステラについても、由来や意味のご紹介をします。

ひなあられ

ひなあられはもともと「雛の国見せ」といわれている、貴族の上流階級の娘たちが雛人形を川辺や野原など外に持ち出して春の景色を見せてあげるという風習がありました。
その際に、食べられるようになったのがひなあられです。
また、ひなあられには女の子の健康を祈願するという意味も込められています。カラフルなひなあられですが、四季を意味するピンク、緑色、黄色、白色の4色で作られていることがほとんどです。四季を通して1年間、女の子の幸せを祈るという意味もあるそうです。

関東と関西ではひなあられの味が違う?

実はひなあられの味が、関東と関西で全く違うものだということはご存知でしょうか?
関東では、米を爆発させて作られる「ポン菓子」に砂糖で甘く味付けした物が多く、関西では塩や砂糖醤油で甘じょっぱく味付けした餅を揚げた物が主流となっています。

しかし、昨今では東海や北陸地方では両方を売っている場合も多く、消費者の好みの違いや流通・情報の発達により、関東と関西のひなあられの違いがどんどん減ってきているようです。
お好みのひなあられをチョイスしてひな祭りのお祝いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

菱餅(ひしもち)

菱餅は緑色、白色、ピンク(紅)の3色の餅を菱形に切って重ねた物です。
菱餅は、ひな祭りの起源とされている上巳の節句とともに中国から伝わった風習で、元は母子草(ははこぐさ・小さな黄色い花)という草の餅でした。
しかし、母子をついて餅にするのは縁起が良くないと嫌がられるようになり、日本ではヨモギを使って菱餅を作るようになったといわれています。
色にもいくつかの意味があり、緑色は「健康や長寿」、白色は「清浄・清らかでけがれがないこと」、ピンクは「魔よけ」という意味が込められています。

菱餅の重ね順は2パターン

菱餅の重ね方にパターンがあるのはご存知でしたか?
雪解けの近い春の情景をイメージしており、どちらの重ね方でも問題ありません。
重ねる順番によって少し意味が異なるので、その意味についてもご紹介します。

下から緑・白・ピンクの菱餅

大地(緑)に草が息づきはじめ、雪(白)が溶けかかったその上に桃の花(ピンク)が咲く
という情景を表しています。

下から白・緑・ピンクの菱餅

雪(白)の中から、新芽(緑)が顔をだし、桃の花(ピンク)が咲いている
という情景を表しています。

引千切(ひちぎり)

引千切とは、京都のひな祭りでは必ず食べられているお菓子で、ヨモギ餅などを伸ばして真ん中をへこませて、その上に餡をのせた和菓子のことです。
餅のふちに引きちぎった跡があるのが特徴ですが、忙しくて餡を丸める暇もなく、引きちぎって餅を作ったのがはじまりとされています。
もともとは、餡を包むわけではなく、草餅に味噌をのせて食べられていました。
また、引千切は別名「あこや餅」とも呼ばれており、あこやはアコヤ貝(真珠貝)の事を意味しています。その背景から「真珠のように大切な女の子」や「真珠を大切に守る硬い貝」という意味が込められています。

桃カステラ

長崎では、ひな祭りのひな菓子としても食べられている「桃カステラ」は、大きなカステラの生地の上に食紅や練り切りなどで桃の形を模したお菓子を飾りつけた食べ物です。

桃カステラが生まれた背景として、長崎が貿易の玄関口だったことが大きく関係しています。
古くから中国と貿易が盛んだった長崎では、中国の風習を取り入れて「桃は不老不死の実で長寿を願う」という縁起のいい果物として伝えられてきました。
その桃と、南蛮貿易によって長崎に伝わった「カステラ」を地元のお菓子職人が融合させてできたのが桃カステラです。
現在でも、めでたいお祝いの席で桃カステラが食べられていてます。

春を感じる食材を使った料理でひな祭りをお祝いしよう!

今回は、ひな祭りで食べる料理やお菓子、食材の意味についてご紹介しました。
いつも用意しているお料理や、お菓子も意味を知る事でお子様に伝えられるようになれば、毎年のひな祭りがより一層楽しくなりますね。
春の訪れにぴったりの食材を使って楽しくお祝いをしてみてはいかがでしょうか。

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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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