雛人形は誰が買うべき?

2023年6月26日

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女の子が生まれて初めて迎える3月3日の桃の節句は“初節句”という特別な日です。
通常、雛人形を飾り、ご馳走を食べてお祝いしますが、雛人形は本来、誰が買うべきなのでしょうか?
実は昔から『母方の親が買う』のが一般的と言われています。
しかし、それは古いしきたりによるもの。
現代社会では、どちらの親でも、誰が買ってもいいのです。
1200年以上前から行われてきた節句行事は、時代の流れとともに少しずつ変化してきたものなのですから。

目次


  1. 雛人形は母方の親が買うのがしきたり?!

  2. なぜ母方の親?

  3. 地域によっても違うしきたり

  4. 現代は各家庭それぞれで決めていい

  5. まとめ

雛人形は母方の親が買うのがしきたり?!



雛人形は子どもに降りかかる災厄を避けるため、身代わりとして飾られた人形が起源とされており、お守りの意味で古くから嫁入り道具のひとつとされていました。。
今ではあまり行われないようですが、結婚を約束する儀式として結納を行う際、ひと昔前までは男性側の両親が結納金を負担し、女性側の両親は嫁入り道具として家具やお茶道具、裁縫道具など、生活に必要な物を用意するのが一般的でした。
雛人形以外に子どもに関わる節句飾りや縁起物なども嫁入り道具として持たせることがあったようです。

なぜ母方の親?



節句行事が広く庶民にまで流行し、雛人形や武者人形などを飾るようになったのは、江戸時代以降と言われています。
当時、女性は結婚すると夫側の両親と同居し、その家の人間として暮らすのが当たり前でした。今のように気軽に実家に帰ったり、自分の親に会ったりすることはできなかったのです。
もともと嫁入り道具として雛人形を持参する習慣がありましたが、それは嫁いだ娘用の雛人形で、孫のものではありません。
女性側の両親は娘や孫の顔を見に行く口実として、孫の節句祝いや節目のお祝いを理由に人形や縁起物を持参するようになり、徐々に『母方の親が買う』というしきたりが広まったようです。

地域によっても違うしきたり



現在でも西日本では節句飾り全般を『母方の親が買う』という話をよく聞きます。京都に近い関西圏では貴族文化の影響を強く受けたからだという説もあります。
一方で東日本の場合、雛人形は母方の親、五月人形は父方の親が買う、という習慣があるそうで、地域によってどちらの親が買うのか、しきたりはさまざまなようです。
また、スマホやインターネットが普及した現代では、昔のように簡単に顔を見ることができない、ということもないため、必ずしも、しきたりを守らなければいけない理由はありません。
ただ、母方・父方の両家で意見が食い違っているとトラブルの元になりますので、事前によく確認しておくと良いでしょう。

現代は各家庭それぞれで決めていい


おじいちゃん・おばあちゃんに購入してもらう方法も各家庭によって違います。例えば、
・欲しい雛人形を一緒に見て決める
・お金だけを援助してもらう
・両家で折半する
コンパクトタイプの雛人形が主流の現代では、雛人形自体は母方の親に購入してもらい、父方の親には名前旗や吊るし飾りなどを購入してもらうなど、分担して購入するパターンも増えているようです。
長い間飾る雛人形ですから、家族間でよく相談し合って納得のいく形で購入することをお勧めします。
また雛人形に加え、名前旗や毛せんを飾ったりすることで、オリジナルの演出を楽しむ方も増えており、SNSに写真を投稿されているのをよく見かけます。
みんなで一緒に飾り付けをしたり、ご馳走を食べてお祝いしたりすることは、実は節句行事の本来の目的でもあるのです。

まとめ



昔からのしきたりがまだ残っている地域では、考え方を改めるのも難しいことがあります。もし欲しいと思う雛人形が決まっている場合は、はっきりと「このタイプが欲しい」とリクエストすることもいいかもしれません。
後々わだかまりが残らないように、しっかりとコミュニケーションをとって相談することが大切です。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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