ひな祭りのハテナを解決! より楽しく過ごすための豆知識

2021年10月13日

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3月3日は、女の子のお祭り「ひな祭り」です。
桃の節句とも言われ、女の子の健やかな成長と幸せを祈ります。
このときに飾るのが雛人形です。人形に持ち主であるお子さんの災厄を負わせて、
身代わりになってもらうことが人形の始まりとなりました。
そもそもひな祭りとは? また何を飾り、どのように祝うのか。
ひな祭りにまつまる疑問をひとつずつ解決していきます。

目次


  1. ひな祭りの歴史

  2. 豊富にあります! 雛人形の種類

    雛人形の作りは二種類

    雛人形の飾りの種類

  3. いつからいつまで飾ればいいの?

    飾りつけは桃の節句の1週間前までに!

    片付けはいつまで?

    何歳まで飾るのが良い?

  4. ひな祭りに食べたいご馳走

  5. まとめ

ひな祭りの歴史


3月3日のひな祭りは上司の節句です。上巳とは五節句の一つで、3月の最初の巳の日のことを指します。ひな祭りの由来は、平安時代から女児が小さな人形を用いて遊んでいた“ひいな遊び”と、上巳の節句が融合したものと考えられています。
ひな祭りは、江戸時代には江戸幕府の公式な式日だったと言われています。江戸城では各方面から贈り物が届き、節句を盛大に祝っていたといいます。武家のひな祭りの様子がわかる『徳川盛世録』を見ると、内裏雛、五人囃子、ひな道具や菱餅などが飾られた雛飾りの前で楽しむ女性たちのが姿が描かれています。この頃から桃の節句は、女の子のお祭りだったのです。

豊富にあります! 雛人形の種類


はるか昔から続くひな祭り。ひな祭りに欠かせないのが雛人形です。雛人形と聞いて、皆さんはどのような雛飾りをイメージしますか? 階段状になった段の上にお人形や雛道具が飾られたものや、男雛や女雛だけのシンプルなものなどイメージするものはそれぞれ違うかもしれません。雛人形を購入しようと思い、ネットを覗いたり実際に店舗に行くと、その種類の多さに驚かれると思います。そこで雛人形の種類について詳しく解説していきます。

雛人形の作りは二種類


  • 衣裳着人形

    衣裳着人形は体と衣裳が別々にできています。手足をつけた胴体に衣裳を着せ、頭をつけて完成です。
    衣裳にボリュームがあり立派に見え流ので、豪華で見栄えが良いのが特徴です。

  • 木目込人形

    木目込人形の胴体は、桐塑※と呼ばれる素材で作られています。その胴体に溝を掘り、そこに衣裳となる生地の端を埋め込んでいきます。この作業を“きめこむ”と表現することから、木目込人形と呼ばれるようになりました。衣裳が埋め込まれているため、衣裳着人形のようなボリュームはなくスッキリとした印象を受けます
    ※桐塑(とうそ)……桐の木を粉末にして、正麩糊(しょうふのり)を混ぜ粘土状にしたもの

雛人形の飾りの種類


  • 七段飾り、三段飾り

    その名の通り、七段から構成されるのが七段飾りです。登場する人形は男雛、女雛、三人官女、五人囃子、随身、仕丁の15人。最上段に男雛と女雛、二段目に三人官女、三段目に五人囃子、四段目に随身、五段目に仕丁と続き、六段目と七段目に雛道具などの小物類が並びます。
    男雛・女雛、そして三人官女を飾るのが三段飾りです。五人飾りとも呼ばれ、七段飾りよりもコンパクト。七段飾りよりもスペースを取らないし、人形や小物類も少ないため、「段飾りが欲しいけど七段飾りは置けない」「七段飾りは飾るのが面倒」という方におすすめです。

  • 親王飾り

    男雛と女雛だけを飾る雛飾りを「親王飾り」といいます。男雛と女雛は天皇と皇后の表しているため親王とも呼ばれています。親王飾りは座り姿が一般的ですが、段飾りでは珍しい立ち姿の雛もあります。人形は二体だけなのでシンプルですが、男雛と女雛の存在がより際立つのが親王飾りの特徴です。飾りや片付けも簡単で時短につながり、スペースを取らないため置き場所に悩むことはありません。

  • 収納飾り

    雛人形や雛道具を飾る台が収納箱になっていて、それらをしまうことができるタイプの雛飾りです。全て一つの箱に収納できるよう、飾り台は少し高さがあります。その台の上に雛人形や道具を並べるので高さが出て見栄えが良くなります。
    最大の利点は管理が楽なことでしょう。段飾りだと収納の際に複数の箱ができてしまいますが、全て一つの箱に収納できれば出し入れが簡単です。収納飾りの種類も豊富で、親王飾りはもちろん三段飾りもあります。

  • ケース飾り

    ケース飾りは、お人形を飾り付ける必要がないものです。アクリルケースもしくはガラスケースの中に人形や道具が固定されています。ケースの形は、四角いものから丸いものまでさまざまで高いデザイン性がポイント。お部屋のインテリアに合わせて選ぶことができます。他の飾りに比べて、圧倒的な飾りやすさを誇る雛飾りです。

いつからいつまで飾ればいいの?


3月3日の桃の節句に合わせて飾る雛人形。何日に飾りつけ、何日に片付けるべきか。実は明確なルールはありません。一般的に良いとされる期間がありますので、それを目安にしていただくと良いと思います。

飾りつけは桃の節句の1週間前までに!


ひな祭りの1週間前となると2月下旬になりますが、最も良いとされているのは節分の翌日となる立春です。2月4日頃から2月中旬にかけて飾るのがベストといわれています。節分で鬼退治をして厄を祓った後すぐに雛人形を飾れば、長い期間雛人形を楽しむことができます。このタイミングがどうしても難しいときは、ひな祭りの1週間前までに飾るのが良いです。一夜飾りは避けましょう。

片付けはいつまで?


雛人形を片付ける時期は、3月3日を過ぎたらできるだけ早い方が良いといわれています。雛人形はお子さんの厄を身代わりに背負ってくれるものです。片付けにずに飾りっぱなしにしておくと穢れが戻ってきてしまうという言い伝えがあります。桃の節句が終わった後、天気の良い日を選び、湿気を含ませることなく収納するのが最適です。
 余談ですが「雛人形を片付けずにいると婚期が遅くなる」という言い伝えを聞いたことはありませんか? 実は根拠のない噂なのです。「きちんと片付けができる女性でないと嫁げないよ」という意味を込めた注意喚起のようなものだと考えるとありがたいアドバイスと思えますね。

何歳まで飾るのが良い?


子どもの頃は当たり前のように毎年飾っていたという方も多いと思います。「いくつまで飾って良いのだろう……」と思ったことはありませんか? これも明確なルールはなく各家庭によって異なります。昔の豪商たちは、娘が結婚した時に立派な雛人形を嫁入り道具として持たせたいという思いから、絢爛豪華なものを用意したという逸話も残っています。嫁ぎ先で「嫁の雛」を飾る風習もあるくらいですから、結婚後はもちろん、成人になっても飾ることはなんの問題もありません。

ひな祭りに食べたいご馳走


ちらし寿司

ひな祭りのご馳走といえば「ちらし寿司」です。色鮮やかな具材がさまざまに乗っているため、春の訪れを感じさせるメニューとなっています。縁起が良い食材が使われているのも桃の節句に食べられるようになった理由です。
 まずは長生きを象徴する海老。「海老のように曲がるまで元気でいられる」からきています。
次にレンコン。穴が空いたレンコンは先まで見えるため、見通しの良さがあります。
 そして豆。まめに働けるようにと縁起を担いで食べるものとされ、仕事や健康の象徴と言われています。
 いくらやマグロを入れるのもグッドです。赤い色には魔除けの意味がありますから、ひな祭りのちらしず寿司に最適な食材です。

はまぐりのお吸い物

「はまぐりは縁起物」と言われる理由は、その形からきています。両方の貝殻がぴったりと合わなければ対にならないことから、夫婦仲の良さを願う縁起物として知られているのです。開いた貝の上に、それぞれ身をのせていただくのがポイント。少し贅沢ですが良縁に巡り会えるように祈りながらいただきます。

ひなあられ

ひな祭りにいただく和菓子といえばひなあられです。あれについた色は、白色は雪、緑色は木々の芽、桃色は生命を表しているといわれています。ひなあられは関東と関西では原料、味付けが異なります。関東では主にうるち米を原料とし、熱を加えて膨らませたものに砂糖をかけて色付けしています。一方、関西のひなあられは塩や醤油の味がついたもち米が原料。形は直径1センチほどの丸いもので色もさまざまで、海老や青海苔などの味を楽しむことができます。地域によって原料や味付けが異なりますが、お子さんの健康を願う気持ちは変わりません。

菱餅

菱餅はひな祭りにつきものです。ルーツは、古代中国まで遡り、上巳節に菱の実の粉で作った餅に母子草を混ぜて食べる習慣があったそうです。菱の実には子孫繁栄や、長寿の力があるとされ、母子草には母と子が健やかであるようにとの願いが込められていました。
現在、菱餅の色は桃色・白・緑色の3色ですが、1.ひな祭りの歴史で説明した『徳川盛世録』の図絵にあるのは白・緑色・白の2色を使った菱餅です。桃色の餅が加わったのは明治時代と言われています。菱餅の3色には次のような願いが込められています。

  • 桃色(赤)

    実際にはピンクや桃色と表現するのがふさわしいのですが、魔よけの意味合いを持つ赤とします。解毒作用があるクチナシの身が入っています。


  • 子孫繁栄や長寿の力があるとされる菱の身入り。純白をイメージしています。


  • よもぎの強い香りは厄除けになります。
    ひな祭りの時期になると菱形のケーキが販売されるほど、菱餅は桃の節句は切り離せない存在です。

  • 白酒

    白酒を飲むようになったのは江戸時代になってからといわれています。甘酒のように白く、ドロっとしている見た目ですが甘酒とは製法も成分も異なります。白酒はアルコール飲料なのでお子様に飲ませることはできません。大人だけで楽しみましょう。
     白酒が飲まれるようになったのは諸説あります。女性の厄払いのために飲まれるようになったとも言われていますが、一説には慶長年間創業の豊島屋が創案した白酒を将軍が気に入ったため、一気に火がつき人気商品となったようです。白酒を求めて徹夜で豊島屋に並ぶ人もいたとか。各家庭で白酒が振る舞われていたことでしょう。

まとめ


ひな祭りについて深堀りしてみると、古い風習や外国からの影響を強く受けていることが分かります。歴史が紡いできたものが日本の伝統文化となり、現代の私たちに継承されているのです。豊富な種類が展開されている雛人形も、生活スタイルの変化とともに柔軟にその形を変えてきました。ご馳走をいただきながら、先人たちが繋いでくれたひな祭りを祝い、お子さんの健やかな成長を祈りましょう。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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