桃の節句って何をする日?

2023年6月26日

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桃の節句とも言われる3月3日のひな祭りは、女の子の健やかな成長をお祝いする日です。
この日は昔から女の子がいる家で雛人形を飾る習慣がありますが、それ以外には何をするのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか?
地域によっても違いがありますが、桃の節句(ひな祭り)には、桃の花を飾り、雛あられや白酒、菱餅や桜餅を食べて健康長寿を祈念する日とされてきました。
また、縁起の良い食材を使ったご馳走をみんなで食べてお祝いをします。

目次


  1. 桃の節句(ひな祭り)にはどんなことをするの?

  2. 雛人形の他には何を飾る?

  3. 桃の節句(ひな祭り)に食べるもの

  4. 地域によって雛人形の飾り方や食べるものに違いがある

  5. さいごに

桃の節句(ひな祭り)にはどんなことをするの?



2月4日(立春)を過ぎた頃から雛人形などの節句飾りを飾りつけます。
もともとは平安貴族が子どもにふりかかる災厄を避けるため、身代わりとして飾った人形が雛人形の起源とされています。節句飾りが一般庶民にまで広まったのは江戸時代以降のことです。

一緒に邪気を祓う力があると言われる桃の花も飾ります。
菜の花などを添えるとより一層華やかな雰囲気が演出できます。これは、旬の植物が持つ生命力を取り入れることで健康を保つことができると考えられていたことに由来します。

お供えとして雛あられや菱餅を飾り、白酒(甘酒)を用意します。
昔から雛あられや菱餅のカラフルな色にはそれぞれに悪いものを寄せ付けない効果や縁起の良い意味があるからと言われています。
節句の起源とされる古代中国では、桃の節句に桃の花びらを浸した桃花酒という飲み物を飲んで厄払い・健康維持をしていたそうです。この桃花酒の代わりとして白酒や甘酒を飲むようになったと考えられています。

家族や親戚みんなで食事をします。
初めて3月3日を迎える女の子にとっては「初節句」なので、おじいちゃん・おばあちゃん、親戚を招いて一緒に食事をしてお祝いします。
参加者の都合もありますので、3月3日前後でもかまいません。
初節句以外の場合も家族みんなで集まって、子どもの健やかな成長や将来の幸せを願い、健康長寿を願って一緒に食事をします。

雛人形の他には何を飾る?



地域によっては雛人形だけではなく、さまざまな独特の飾りを飾ることがあります。

つるし飾り…節句行事が広まった江戸時代、高価な雛人形の代わりに庶民がそれぞれの願いを込めた人形を集めて飾りにしたのが始まりとされています。厄除けや健康長寿、子孫繁栄などを象徴するモチーフを端切れでたくさん作り、紐で繋いだ物をつるした飾りで、静岡の稲取、柳川、山形などが有名です。

市松人形…雛人形は奥様のご実家から贈られ、その雛人形をお出迎えするのが市松人形で、その市松人形は旦那様のご実家がご購入される習慣もある、美しい日本の伝統文化です。雛人形の脇飾りとして、また“お出迎え人形”として、そしてご親戚や親しいお宅の初節句に、健やかな成長を願う気持ちを込めて贈られます。

最近では男女ともに節句人形と一緒に名前旗やタペストリーなどを飾る方も増えています。住宅事情によって節句人形の主流が年々コンパクトになっていることもあり、SNSなどにも名前旗や手作りの装飾品などを組み合わせてオリジナルの空間演出をする例がよく見受けられます。
実は雛人形も含め、絶対に飾らなければいけないという決まりはありませんので、各家庭で自由に飾り付けを楽しんでいいのです。

桃の節句(ひな祭り)に食べるもの



ひな祭りに欠かせない、ひなあられや菱餅の他に定番とされているメニューが、はまぐりのお吸い物とちらし寿司です。
はまぐりは、同じ個体の貝殻だけがぴったり合わさることから、良縁や夫婦円満を意味する縁起の良い食材とされています。
ちらし寿司については、なぜひな祭りの定番になったかは不明ですが、見た目にも華やかで女の子のお祭りに相応しいからではないでしょうか。“腰が曲がるまで”長寿を意味する海老や“先がよく見通せる”蓮根、“金運”を意味する錦糸卵など、お正月のおせち料理と同じで健康長寿や幸運を意味する縁起の良い食材をたくさん使っていますし、お客様をおもてなしするのにもぴったりです。
また、最近ではひな祭り用のケーキを用意する方も多いようです。

地域によって雛人形の飾り方や食べるものに違いがある



桃の節句の起源は宮中貴族の節句行事ですが、ひな祭りは宮中で行われていた流し雛やひいな遊びが元になっていると言われています。これらが合わさり、雛人形を飾ってお祝いする現在のような形になったのは江戸時代以降のことです。
そのため、宮中の影響を強く受けた関西と江戸城があった関東とでは雛人形の飾り方にも違いがあります。宮中では位が高い方が左側とされていたので、関西では向かって右側に男雛を置く習慣が残っていますが、武士社会では右側の方が高位とされていたため、関東では向かって左側に男雛を置くのが一般的です。
また、京都の下鴨神社や東京の隅田川など、今でも古代から伝わる流し雛を行っている所もあります。
雛あられは、関東ではお米を使った細長い形で、砂糖で味付けされたパステルカラーの甘いお菓子が一般的ですが、関西では小さいお餅を揚げたおせんべい風のあられで、甘い味だけではなく塩味やしょうゆ味などのものがあったり、桜餅は、関東の場合、上新粉などを薄く焼いたもので丸めたこしあんを包み、外側に塩漬けされた桜の葉を巻いたものを指しますが、関西ではつぶあんを中に入れ、もち米から作った道明寺粉で包み込んだものを指します。ちなみに関西風の桜餅は、関東では桜餅ではなく、道明寺という名前で呼ばれることもあります。

さいごに


古来より行われている年中行事は、各地域で独自の変化を遂げていることもあり、昔からのしきたりを守らなければならないというものもありますが、桃の節句(ひな祭り)自体は、実は“こうしなければならない”といった決まりはありません。
例えば、お父さんが関西出身、お母さんが関東出身の場合、どちらに男雛を飾るかで意見が分かれるかもしれませんが、その家庭で話し合って自由に決めていいのです。
子どもの健やかな成長を家族みんなで祝って楽しく過ごすことが大事な目的の日なのです。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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