市松人形は誰が買う?

2023年6月22日

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江戸時代に節句人形が流行したことで江戸の町中にたくさんの人形屋が軒を連ね、数々の新しい人形が生み出されました。市松人形もそのひとつです。“雛人形を買うのは母方の親”というしきたりに対して“父方の親は市松人形を買う”というしきたりがあったと言われています。

目次


  1. 誰が買うかは地域によって違いがある

  2. お出迎え人形という役目


  3. 伝統工芸技術の結晶でもある

  4. 市松人形製作の第一人者「齊藤公司」

誰が買うかは地域によって違いがある



昔は“雛人形などの節句飾りは母方の親が買うもの”というしきたりがあったそうです。当時、結婚した女性は男性側の家族として夫の両親と同居するのが一般的で、気軽に実家に帰ったり自分の両親に会ったりすることができませんでした。そのため女性側の親が娘や孫に会いに行く口実として節句飾りを買って持参するようになったと言われています。
主に関西から西側では現代でもこのしきたりが残っている地域があるようですが、東海地方や関東以北では“鎧兜などの飾りは男性側の両親が買う”、というしきたりが残っていたり、北海道や関東の一部では“男の子用の節句飾りは男性側の親、女の子用は女性側の親が買う”など地域によってもさまざまです。
ですが、結婚した後も気軽に実家に帰ったり両親に会ったりできる現代では、誰が買うかについての古いしきたりに囚われる必要はありません。各家庭でよく相談してベストな買い方を選びましょう。

お出迎え人形という役目



市松人形はもともと美形で有名だった江戸時代の歌舞伎役者「佐野川市松(さのがわいちまつ)」に似せて作られた人形として売り出され、大人から子どもまで日本中で爆発的な人気だったようです。抱き人形や着せ替えタイプもあり、日本人形=市松人形というほどその名前は浸透しました。
しかし一方で、母方の親が買った雛人形の到着を出迎えるための“お出迎え人形”という役目も与えられていたようです。雛人形は決して安い買い物ではありませんでしたから、両家の出費のバランスを取る意味でも重要なポストだったのかもしれません。
現代でもお出迎え人形として市松人形を購入するという方は少なくありません。また、災厄を避けるためのお守りという意味もありますので、お祝いの品や贈り物としても最適です。

伝統工芸技術の結晶でもある



江戸時代にはさまざまな大衆文化が生まれました。浄瑠璃や歌舞伎は現代で例えると映画や演劇のようなものでしたので、商人が勢力を持っていたこの時代には当然、人気役者の浮世絵や人形といったグッズがたくさん作られたのです。
中でも人形製作の分野ではさまざまな新しいものが生み出されたことで、技術の向上にも拍車がかかったのです。
その技を現代に伝える市松人形のリアルな表情や衣装は、伝統工芸の技術を存分に活かして作られた結晶でもあり、大変見応えのある芸術品と言ってもいいでしょう。
最近は現代のお部屋の雰囲気にも合うモダンな色彩のおしゃれな市松人形も増えていますので、インテリアとしても十分楽しめます。

市松人形製作の第一人者「齊藤公司」


埼玉県の岩槻の工房天祥では内閣総理大臣賞など数々の受賞を果たしている人形師「齊藤公司」の作品を豊富に取り揃えております。ここで一部をご紹介します。



https://www.hinamatsuri-kodomonohi.com/view/item/000000001243?category_page_id=ichimatu

老舗節句人形屋「久月」ブランドの市松人形です。凛々しさの中にもあどけなさが感じられ、真っ直ぐな眼差しが印象的です。衣装は黒地に金彩加工が施された高級感溢れる羽織袴姿です。



https://www.hinamatsuri-kodomonohi.com/view/item/000000002774?category_page_id=ichimatu

現代風の髪型でファーをまとった姿はまるで成人式を迎えた女の子。とても華やかでおめでたい雰囲気の市松人形です。衣装は上質な正絹で鮮やかな水色に桜柄が美しく見応えがあります。ケース入りでお手入れが楽なのも嬉しい仕様です。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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