【雛人形】雛壇の飾りやお道具の名前と意味について解説!

雛人形が持つ飾りやお道具について、名前やどんな意味があるのかご存知ですか?
毎年のひな祭りで、意味を知らずになんとなく飾っていた方も多いのではないでしょうか。
今回は、雛壇の飾りやお道具の名前と意味について詳しくご紹介いたします。

雛壇の飾りの名前と意味はご存知ですか?

現在では、住宅事情の変化により雛人形を飾るスペースや収納場所が確保できないマンションやアパートが増えたため、コンパクトな雛人形が主流になってきました。
コンパクトになった分、雛人形の数や道具の数も少なくなり、本来の道具の意味を知らないという方も増えているのではないでしょうか。
今回は、七段飾りの雛人形が持つ道具や名前についてご紹介いたします。

一段目(内裏雛・だいりびな)の道具

雪洞(ぼんぼり)

雪洞はロウソクの火を灯す道具で、江戸時代中頃以降に広く使用されたといわれています。

三方(さんぽう)

三方はくり抜かれた穴が三つの方向で空いている台で、おもてなしの際に使われます。
三方の上には瓶子(へいし・壺の一種)に花を挿し飾ります。

金屏風(きんびょうぶ)

お内裏様(男雛)とお雛様(女雛)の後ろに立てる屏風は、部屋の仕切りや装飾、風を遮るための道具です。
その歴史は686年まで遡ります。外国への贈答品としても使われていた屏風は、日本独自の折りたたみ式の屏風として海外でも珍重されていたそうです。

二段目(三人官女・さんにんかんじょ)の道具・持ち物

高坏(たかつき)

一般的には高く足をつけた丸いお皿で、近年では四角の形をしたお皿もあります。
ひし餅やお菓子を供える器で一対にして使われています。

長柄(ながえ)

三人官女が持つ道具のひとつで、長い柄のある酒器で「銚子(ちょうし)」とも呼ばれています。
盃(さかずき)に酒をそそぐ道具で、取手部分が長くその部分を長柄というので、そのまま長柄と呼ばれるようになりました。

島台(しまだい)

三人官女が持つ道具のひとつで、祝儀の飾りを置く置物です。
島台の名前の由来として、入江の形状をした島の姿に吉祥文様が施されたことがきっかけです。

提子(ひさげ)

三人官女が持つ道具のひとつの提子は、やかんに似た形の金属製の器です。ここには白酒を入れていたと言われています。
かつては宴会の席で酒を注ぎ勧めるのに使用されていましたが、室町時代以降は銚子がお酒を注ぐ道具として使われるようになりました。
それ以降、提子は銚子に酒を入れるためのものに変わりました。

三段目(五人囃子・ごにんばやし)の持ち物

謡(うたい)が右手に持つのは扇です。謡う際に扇を構え、休みの時は下ろします。

笛・能管(のうかん)

笛は竹でできています。
唯一のメロディー楽器でありながら、打楽器のようなリズムを刻みます。笛の中に細い竹を1本はめ込んであるので、ヒシギと言われる高い音を出すことができます。

小鼓(こつづみ)

小鼓は、鼓が桜の木の胴で、その上に表裏2枚の馬の皮をおき、調緒(しらべお)という麻紐で締めあげた楽器です。
右肩にかついで、右手で打ち、音を奏でます。

大鼓(おおつづみ)

大鼓の材質や構造は、小鼓とほぼ一緒です。大きさだけがひとまわり大きくなっています。
左手で持って左膝に置き、右手で打ち、音を奏でます。

太鼓(たいこ)

太鼓は、いわゆる締太鼓のことで構造は基本的に小鼓や大鼓と変わりませんが、革は牛革で、バチが当たる部分に補強用の鹿革を使用しています。

四段目(随身・ずいじん)の道具・持ち物

懸盤膳(かけばんぜん)

懸盤膳は、お膳の高級品の型で四方の側面に大きく穴が空いており、足部分の縁に盤をのせて懸けた構造から懸盤(かけばん)と呼ばれています。
黒漆金蒔絵の装飾が施されており豪華です。

菱台(ひしだい)

ひし餅を飾るための台として使用されている道具です。

儀仗の剣(ぎじょうのけん)

儀仗とは儀式に用いる衣装で飾りとして使われた武器のことを指します。
武官の特徴というと武器ですが、刀にも刃はつけなかったようです。

儀仗の弓(ぎじょうのゆみ)・矢羽(やばね)

剣と同じく、衣装の飾りで持っていた弓と矢羽です。
弓や矢羽自体に美しい装飾が施されており、身分の位によっても色や柄が異なります。
鷲や鷹などの尾羽で大きな矢羽が作られていたそうです。

五段目(仕丁・しちょう)の道具・持ち物

橘(たちばな)

橘は、平安京の内裏内の紫宸殿(ししんでん)前に植えられた日本固有の柑橘類の木です。
実がなることより、緑の葉っぱが注目され、松と同様に1年中葉っぱが落ちず緑であることから「永遠」をたとえる植物として喜ばれました。

桜(さくら)

桜は、橘同様に紫宸殿(ししんでん)前に植えられた植物です。
現在も京都御所内の紫宸殿に植えられており、縁起の良い花として扱われています。

台笠(だいがさ)

怒り顔の仕丁が持っている道具で、台笠とは日傘のことです。

沓台(くつだい)

泣き顔の仕丁が持っている道具で、沓台とは靴を置くための台のことです。

立傘(たちがさ)

笑い顔の仕丁が持っている道具で、立傘とは雨傘のことです。

六段目(嫁入り道具)

箪笥(たんす)

かつての日本では桐の木を庭に植える習慣がありました。
女の子が大人になった時にその桐の木で箪笥を作り、嫁入り道具として持たせたという習わしが元になっています。

長持(ながもち)

洋服や寝具を入れるための長方形の容器のことです。
当初は武家で使用されていましたが、のちに一般庶民の間でも普及するようになりました。

衣裳袋(いしょうぶくろ)

表は唐織、裏は綾や正絹で華やかに仕立てています。衣装や調度品を入れるための袋なので丈夫にする必要があり、組紐を縦横にめぐらして表刺縫いで仕立てられていたそうです。

火鉢(ひばち)

中に灰を入れて暖房のように使っていた道具です。

針箱(はりばこ)

裁縫道具一式を入れるための箱で、ミシンもなく衣類など全て手づくりだった江戸時代では、この針箱は欠かせない道具でした。
針箱についている絎台(くけだい)と呼ばれる部分は、裁縫がしやすいように衣服の端っこを紐で引っ張って置くための台として使用されていました。
昔の庶民が針箱を持っていたわけではなく、裁縫をする際に絎台の変わりに脚を使って布の端っこを押さえていたそうです。その姿がみっともないことから、針箱が嫁入り道具に加わったそうです。

鏡台(きょうだい)

お化粧をするための台で、化粧品を収納する引き出しの上に、鏡をかけるための柱がついています。

茶道具(ちゃどうぐ)

茶道は武家の女性にとっては花嫁修業というより、たしなみに近い存在として扱われていました。

七段目(御輿入れ道具・おこしいれどうぐ)

御駕籠(おかご)

座る部分を一本の棒に吊るして、棒を前と後ろから担いで人を運ぶための乗り物として使用していました。

重箱(じゅうばこ)

現在でも目にする重箱は、箱を何段にも重ねていることから「重箱」と名付けられました。
室町時代には重箱を使っていたという記録があり、一般庶民に普及したのは江戸時代で、狩りやお花見など外出する際に重宝されていました。

牛車(ぎっしゃ)

牛に引っ張らせて乗る車のことで、平安時代の貴族が使っていた乗り物です。

お子様に雛壇の飾りの意味を伝えましょう

今回は、雛壇の飾りやお道具の名前と意味についてご紹介しました。
雛壇に飾る道具本来の意味を知り、お子様へと伝えることで更にひな祭りへの知識が深まり、毎年の飾りつけが楽しくなこと間違いなしです!

正しい雛人形の飾り方は?二人・五人・七人・段飾り

雛人形の飾り方はご存知ですか?

ひな祭りには無くてはならない雛人形ですが、正しい飾りつけ方法はご存知ですか?
自分が小さい頃は、お母さんやおばあちゃんが飾ってくれていた雛人形。
いざ自分が親になり雛人形を飾ろうと思った際に、配置がわからなかったり、関東と関西の雛人形では並べ方が違ったりと戸惑ったという方も多いことでしょう。

今回は、雛人形の飾り方と飾り方の種類についてご紹介していきます。

雛人形の飾り方の種類

ひな祭り・桃の節句で飾られる雛人形には、人形の人数に応じた飾り方とケース飾りや収納飾りなど飾り方の種類があります。
コンパクトで場所を取らない「親王飾り」や、雛人形の人数が多い「五人飾り」や「七人飾り」などの飾り方について詳しくご紹介していきます。

二人飾り・親王飾り・平飾り(男雛と女雛)と飾り方の種類

天皇陛下(男雛)と皇后陛下(女雛)を模したお人形を二人のみを飾る「二人飾り(親王飾り)」。
段がない飾り方のため、平飾りとも呼ばれています。
また、ケースに入っているタイプや収納タイプの雛人形など、飾りやすい雛人形が多いのが、二人飾りの特徴です。
最近では従来の座ったタイプの他に、平安時代の人形遊びをもとに人間をかたどった立ち姿の立ち雛や、皇室の婚礼を連想させる束帯(そくたい・天皇陛下の正装)、華やかな十二単(じゅうにひとえ・皇后陛下の正装)の衣装の二人飾りもあります。

平飾り

男雛と女雛の二人のみを平たい飾り台にお雛様を乗せた飾り方です。
段飾りよりも豪華な衣裳で作成されている物が多いので、男雛と女雛に重きを置きたい方におすすめです。

ケース飾り

雛人形や雛飾りをケースに入れたコンパクトでお手頃なスタイルで、人形を傷や汚れから守ることができます。
雛人形を収納箱から出せば、簡単に飾り付けが完了するのが最大の魅力となっています。

収納飾り

収納飾りは、飾り台が収納箱になっているタイプで、周りの飾りの屏風や雛人形をそのまま収納箱に片付けることができます。
段飾りや平飾りなどの一般的なお飾りは、飾り台を組み立て、お雛様をその上に飾るのが主流ですが、収納飾りは飾り台自体が完成された状態になっているため、飾り付けから片付けまでとても簡単なお飾りです。

立ち雛飾り

雛人形の歴史をもとに作られた立ち雛は、雛人形の飾りとして本来あるお道具などを省いた作りになっており、シンプルで清楚なお飾りが特徴的です。
現在、私たちがよく見かける雛人形は、座り雛と、立ち姿の立ち雛の2種類があります。
雛人形の元々の形は、現在の立ち雛に近い物であったとも言われています。
マンションやアパートなどの洋室のお部屋にシンプルでおしゃれな立ち雛飾りはおすすめです。

五人飾り・三段飾り(男雛、女雛、三人官女の五人)

男雛、女雛、三人官女の五人で飾られる「五人飾り」は、嫁入り道具とされている飾りをあわせて飾るため、飾り台が三段になっていることから「三段飾り」とも呼ばれています。
戦争前の豪華な雛人形では五人官女や七人官女で構成されていた事もありました。
三人官女には、座り姿と立ち姿の2種類の人形があり、座り姿の人形を中央に配置します。まれですが、立ち姿の官女が1人で、座り姿の官女が2人の場合は、立ち姿の官女を中央に飾ります。
三人官女の場合、関東と関西では官女の手に持つ道具の飾り付けが異なります。
関東地方では、中央の官女が三方(お供物に使う四角い台で胴の前と左右に穴がある)を持ち、正面から見て右側の官女が長柄銚子(柄の長い酒器)、左側の官女が提子(やかんや鍋のような器)を持ちます。
関西地方では、中央の官女に島台(お祝いの飾りの置き物)を飾り、高坏がある場合は、各官女の間に飾られるのが主流です。

七人飾り(男雛、女雛、三人官女、囃子の七人)

七人飾りとは、男雛、女雛、三人官女、囃子(はやし)の七人で構成されています。
囃子とは、能の中で笛や小鼓、大鼓、太鼓の楽器を使って「おはやし」を演奏する楽人を表しています。全ての楽人を並べる場合は、楽器が小さい順に向かって右から、扇を持った歌い手、笛、小鼓、大鼓、太鼓の順番で並べます。七人飾りの場合、その中から演奏する楽人を2人だけ配置します。

段飾り(三段、五段、七段など)

段飾りだと、親王飾りに三人官女を加えた、五人飾りの雛人形が主体です。
一昔前は、15人の人形とたくさんのお道具が飾りつけされた七段飾りが主流となっていましたが、現在では住宅事情に合わせた様々な大きさの雛人形が登場し、七段飾りよりもコンパクトな収納タイプや三段飾りが特に人気となっています。

リビングやピアノの上などスペース別!雛人形の飾り方

最近では、和室がないマンションやアパート、一軒家にお住まいのご家庭も増えてきました。令和時代になった今、和室がなくても大丈夫です!それぞれのご家庭に飾りやすい大きさの雛人形を見つけてみてはいかがでしょうか?

和室・床の間(三段、五段、七段飾りなどの段飾り)

和室や床の間などの十分なスペースのあるご家庭には、三段、五段、七段飾りなどの段飾りがおすすめです。
床の間は家庭円満・子孫繁栄をあらわすものであり、そこへ雛人形を飾ることで家系全体での女の子の成長を願うことにも繋がります。
ひな祭りを迎えられる女の子のお母さんや、おばあちゃんの雛人形も一緒に飾って、世代を超えた豪華なお祝いをしてみるのもよいでしょう。

リビング(親王飾り、三段飾りなど)

親戚や家族、友人などのお客様をお招きしてお祝いする場合、リビングへ親王飾りや三段飾りなどのコンパクトな雛人形がおすすめです。
三人官女まで一緒に飾れる五人飾りや、七人飾りの三段タイプのものであれば省スペースで賑やかな雛人形を飾ることができます。

ピアノの上などの空きスペース(親王飾り)

ピアノの上など、ちょっとした空きスペースを活用して雛人形を飾り付ける場合はコンパクトな親王飾りがおすすめです。
雛人形の下に赤い布などを敷いてあげると一層映え、綺麗に飾ることができます。

ロータイプのテレビ台や下駄箱の上(収納飾り、ケース飾りなど)

飾り台がそのまま収納の箱になる収納タイプの雛人形がおすすめです。
他にも、ガラスケースなどに入った雛人形は人形の配置を考える必要がなく、人形に埃が付きにくく保管がしやすいのでおすすめです。
箱から出すだけで簡単に飾り付けも完了します。また、ケース内に雛人形と装飾品が入っているため、飾る手間が無く、収納が簡単なので、お片付けが苦手な方でも気軽に扱うことが出来ます。
商品によってはサイズが大きく高さのあるものもあるので、飾る場所にぴったりの雛人形選びをしましょう。

自宅のスペースに合わせた雛人形を飾りましょう!

今回は自宅のスペースに合わせた雛人形の飾り方や種類についてご紹介しました。
現在、一軒家にお住まいの方や大きなスペースが確保できる方は、段飾りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
また、マンションやアパートにお住まいの方など、あまりスペースがない方は、小さなスペースを有効活用した平飾りや収納飾りがおすすめです。
小さくお手頃なお雛様もたくさんあります。ぜひこの機会に、お気に入りの雛人形を見つけてみてください。