雛人形、いつ飾る?

2023年6月27日

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ひな祭り(桃の節句)が毎年3月3日というのはよく知られていますが、では雛人形はいつ飾り始めて、いつまで飾るのか、ご存知ですか?
一般的には節分の翌日である2月4日の立春から飾り始め、3月3日を過ぎたら片付けるのが良いと言われていますが、それは一体なぜなのでしょうか⁈

目次


  1. 雛人形を飾る日はいつ?

  2. 早く片付けないと『お嫁に行き遅れる』ってほんと?

  3. 実は絶対的なルールはありません

  4. 収納時の注意点

  5. まとめ

雛人形を飾る日はいつ?


2月4日は暦の上では立春ですが、全国的に気温も低く、北の方ではまだ雪が積もっている時期です。
なぜこの日から雛人形を飾ると良いと言われているのでしょうか?
本当のところ、はっきりとした理由はありません。3月3日のちょうど1ヶ月くらい前で、季節の変わり目として分かりやすい日だから、ということかもしれません。
でも節句という行事が始まったのは、今から1200年以上も前の宮中でのことです。この時代は中国から伝わった暦を使用していたため、現代のカレンダーと比べると実際は1ヶ月くらいずれていることが分かります。
昔の暦の3月3日は現代のカレンダーでは4月中旬頃、立春は今の2月下旬くらいだったのです。
旧暦の名残で、今でも田舎の方では1ヶ月ほど遅れて節句を行っている所がありますが、雛人形をこの日に飾り始めなければいけないという決まりは、実はないのです。
ただ、親戚や知人などを招いて初節句のお祝いをする場合は、現代でも大安や友引といった六曜を気にして決めることがあります。

早く片付けないと『お嫁に行き遅れる』ってほんと?



では、いつまで飾るかについてはどうでしょうか。
雛人形は桃の節句に無くてはならない物なのに、終わったら早めに片付ける方が良いという説があります。
昔から『3月3日を過ぎたのに雛人形を飾ったままにしていると、お嫁に行くのが遅くなる』などと言われていますが、これも根拠のない言い伝えです。
三人官女の持ち物や五人囃子の楽器など、細かいパーツがたくさんあった昔ながらの段飾り雛人形の場合、飾り付けるのは楽しいのですが、片付けるのが面倒で、いつまでも飾ったままになりがちだったことから戒めとして生まれた言葉だとも言われていますが、3月3日が過ぎてずっと飾っていても全く問題ありません。
そんなことよりも、天気予報を見て片付けるタイミングを決めることの方が大事なのです。

実は絶対的なルールはありません



冒頭に「節分の翌日、2月4日の立春から飾り始め、3月3日を過ぎたら片付けるのが良いと言われています」と書きましたが、これはあくまでも一般的な目安として言われていることで、守らなければいけない訳ではありません。
そもそも北海道から沖縄まで南北に長い日本列島では、同じ3月3日でも気候がぜんぜん違いますから、“だいたい、そのくらいがいいんじゃないかな〜⁈”程度の話です。
雛人形はもともと平安時代に宮中貴族が子どもの災厄避けとして身代わりに飾った人形が起源だとされていますので、もし、とても気に入っているなら一年中飾っていてもいいのです。
ただ、季節を感じたいとか、飾るスペースに限りがある、という事情から3月いっぱいで片付けるという方が多いようです。天気予報をよくチェックして、快晴の湿気が少ない日を選んで収納することをお勧めします。

収納時の注意点



最近は飾り台の中に収納できるタイプや、飾るのもしまうのもワンアクションのケースタイプなど、簡単に片付けられる雛人形にも人気が集まっていますが、ここで収納の際の注意点をいくつか挙げておきます。

収納する前に…飾り付けた雛人形の完成形の写真を撮っておけば、翌年どこに何を飾るかが分かるので、飾る際スムーズにできて便利です。

湿気の少ない日を選ぶ…飾る場所を選ぶ際にも湿気が無く、直射日光が当たらない場所が最適とされています。湿気は雛人形の大敵なので、できるだけ湿気が少ない日を選んで片付けるようにします。

手袋をする…手垢や皮脂などが人形の顔などに付着すると、変色や劣化の原因になります。人形を扱う時は直接触れないように必ず布製の手袋を着用しましょう。

埃をよく払う…湿気と並び、埃などの汚れも雛人形の劣化を招きます。とてもデリケートな素材が使われていますので、毛はたきのようなもので静かに払います。

各人形を包む…購入時に顔の部分や全体を包んでいた紙で包んで収納します。もし無い場合は、ティッシュペーパーなどでもOKですが、印刷されている紙は避けてください。不織布でできた雛人形専用の収納袋もあります。収納時にもどこに何をどんなふうにしまったか、写真を残しておくといいかもしれません。

収納場所も大事…収納している期間の方が長いので、押入れの天袋やクローゼットの上の方など、寒暖差が少なく適度に通気がある場所を選んで収納します。

防虫剤は人形専用のものを…衣類用の防虫剤は、使われている成分によっては人形にダメージを与える場合がありますので、説明書をよく読んで、必ず人形専用の防虫剤を使用してください。直接触れないよう、和紙などで包んで入れるようにします。

まとめ



雛人形は日本の伝統的な芸術品としても見応えのあるものです。いつ飾るのかについては特に決まりはありませんので、桃の節句だけに限らず、普段からインテリアとして飾って楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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