羽子板はどっちの親が買う?

2023年8月22日

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女の子が生まれて初めてお正月を迎えるとき、災厄避けのお守りとして羽子板を飾ってお祝いをします。
初正月の羽子板や雛人形などの節句人形は、昔から“母方の親が買う”という古いしきたりがあるのをご存知ですか?
でもそれは昔の家族制度によるものなので現代は気にする必要はありません。

目次


  1. 古いしきたりでは母方の親

  2. 現代ではどっちの親が買ってもOK

  3. なぜ羽子板を飾るの?

古いしきたりでは母方の親



もともと宮中貴族や高い身分の人だけが行っていた初正月や節句という行事を一般庶民も行うようになったのは江戸時代と言われています。
当時女性は結婚すると男性側の家で両親と同居するのが当たり前でした。結婚した女性は自分の両親に会うことも実家に帰ることも、現代のようには気軽にできませんでした。
そのため女性側の両親は孫が生まれると、娘や孫の顔を見に行く口実としてお祝いに羽子板や雛人形を持参して会いに行くという習慣が広まり根付いたのです。
しかしそれは昔の話。結婚してもいつでも気軽に会うことができる現代では、どっちの親が買わなければいけないという決まりはありません。

現代ではどっちの親が買ってもOK



地域によっても違いがあり関西方面や九州では“母方の親が買う”という古いしきたりがまだ残っている所もあるようですが、東海や関東以北では鎧兜などは父方の親、羽子板や雛人形は母方の親が買うのがしきたりという地域もあるそうです。
江戸時代とは家族制度も変わり核家族化が進んだ現代、父方・母方どちらの両親とも気軽にいつでも会うことができますので母方の親が買わなければいけない理由はありません。
また最近では資金だけ援助してもらうケースも増えていて、両方の親から半分ずつお金を出してもらうという方法を選ぶ方も多いようです。
しきたりが無くなった現代では各家庭でそれぞれベストな方法を選ぶことができますが、後でトラブルにならないように日頃からコミュニケーションをとっておくことも大事になってきます。

なぜ羽子板を飾るの?



羽根つきの始まりについては諸説ありますが、今から約1300年前の宮中では既に似たような遊びがあったと言われています。新年に悪いものを跳ね返すという意味で邪気を祓う行事として、また吉凶を占う意味でも行われていたそうです。
羽子板の形は先の方の幅が広くなっている“末広がり”という形で縁起が良い形とされています。さらに板面には松や鶴亀などの縁起の良い図柄が描かれていたようです。
また羽根つきに使う羽の先には黒くて固い玉状の物が付いていますが、これは無患子(むくろじ)という木の種でできていたため、子どもが患わない=病気にならないという意味で大変縁起が良かったのです。
この羽を板でつくとカーンカーンという高い音がしますが、邪悪なものはそのような音を嫌うため、魔除け効果があるとも考えられていました。
医療が発達していなかった時代には、赤ちゃんが無事に大きく育ってくれることは切実な願いでした。
ですから、悪いものを追い払う効果があったり縁起が良いとされるものはとても大事なお守りだったのです。
親が子の健康や幸せを願う気持ちは遠い昔も医療が発達した現代も変わりありません。
通常初正月に飾る羽子板は、年末の12月後半以降、大安の日を選んで飾り始め年明け1月15日の小正月に片付けるとされていますが、お守りなので一年中飾っていてもいいのです。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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