破魔弓・破魔矢はどう飾る?

2023年8月22日

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子どもへの災厄を避けるためのお守りとして男の子の初正月には昔から破魔弓(はまゆみ)と破魔矢(はまや)を飾ってお祝いしますが、どこにどのように飾るのが正しい飾り方かご存知ですか?
家族が集まる部屋がよいとか神棚の上、子ども部屋など、さまざまな説がありますが実はいちばんのポイントは直射日光が当たらず、湿気や風などの影響が少ない場所を選ぶことなのです。ここではポイントも含めて正しい飾り方をご説明します。

目次


  1. 正しい飾り方とは

  2. なぜ破魔弓・破魔矢を飾るの?


  3. 片付けるときのポイント

正しい飾り方とは


神事にも使われるような神聖な物なので本来は神棚の上に飾るのが正しいという説もあります。
お正月に神社で購入した破魔矢の場合、神棚の上に置き矢の先を凶の方角に合わせて下向きに飾るというのが正しいとされていますが、初正月に飾る破魔弓・破魔矢は少し趣が異なりますので神棚以外の場所でも問題ありません。
おじいちゃん・おばあちゃんにとって初孫の場合、初正月に破魔弓・破魔矢飾りをプレゼントされることもあるでしょう。
飾る期間は12月13日のお正月事始めの日に飾り始め年明け1月15日の小正月に片付けるのが通例とされていますので、年末年始に親戚や知人などと一緒にお食事したりする場合はみんなが集まる部屋に飾ると盛り上がります。
コンパクトなタイプなら玄関や廊下、飾り棚などのちょっとしたスペースに飾ることもできますしいつも家族が集まるリビングなどに飾るという方も多いようです。
また子どもがひとりで寝起きできるようになったら子ども部屋に飾ったり成長に合わせて飾る場所を変えるのも良いでしょう。
ただし失礼な気分にならないように見下ろす位置ではなく、目線が少し上になるような位置を選ぶと見栄えも良いのでお勧めです。
そして何より大事なのが冒頭でも触れたポイントです。
伝統工芸品は正絹や和紙など大変デリケートな素材を使って作られていることが多いので
・直射日光が当たらない
・湿気が少ない
・エアコンなどの風に当たらない
この3点です。ガラスやアクリルなどのケースに入っている場合でもできれば避けた方が良いでしょう。

なぜ破魔弓・破魔矢を飾るの?



ではなぜ初正月に男の子は破魔弓・破魔矢を飾るようになったのでしょう?
医療が今のように発達していなかった時代宮中貴族の間では子どもが無事に大きく成長することを願って、災厄を避けるためのお守りとして人形や弓矢、羽子板などを飾る風習がありました。
節句行事もそのひとつで、これらが後に雛人形や五月人形などの節句人形へと発展し、弓矢や羽子板は初正月の飾り物として時代とともに少しずつ変化しながらも現代まで続いているのです。
狩猟の道具として大昔からある弓矢は吉凶を占う神事にもよく使われてきました。的のことを「はま」と呼んでいたため魔を退治するという意味で“破魔”という漢字が当てられたことから、悪いものを寄せ付けない魔除けの象徴とされたのです。
子どもが無事に成長し初めてお正月が迎えられたお祝いと大人になるまで災厄が近づかないように、お守りの意味を込めて飾るものです。

片付けるときのポイント



小正月が過ぎた1月下旬の天気が良い日を選んで片付けます。地域によってはまだ雪が降ったりすることがありますが、湿気は大敵なのでできるだけ湿気が少ない時間帯を選ぶようにしてください。
近年はケースに入ったタイプの破魔弓・破魔矢飾りが主流ですが、収納する際はケースの外側に付いたホコリなどをよく拭き取るようにしてください。ケースに入っていない場合は傷めないように毛ばたきなどで優しくホコリを落としてから収納します。
収納場所も飾る場所同様直射日光が当たらない湿気の少ない場所が適しています。防虫剤を使用するときは素材を傷めない人形用を選びましょう。
お正月に飾ることから一般的には小正月を過ぎたら片付けることになっていますが、お守りの意味がありますので実は一年中飾っていても問題ありません。
最近ではデザインも豊富なのでお部屋の雰囲気に合わせてインテリアの一部として飾れるものも増えています。長くずっと飾ることができる破魔弓・破魔矢飾りを選ぶのもポイントのひとつかもしれません。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものと異なる場合があります。予めご了承ください。


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